午(うま)年企画「馬さんぽ」夏のスペシャル版は、22年日本ダービーで1番人気に支持され、5月に誘導馬デビューを飾ったダノンベルーガを特集。第二の馬生で新たな才能を発揮している。

 偉大な同期たちに負けじと、第二の馬生で非凡な才能を見せている。ダノンベルーガは昨年12月に引退し、東京競馬場の乗馬センターに移動。誘導馬としてのトレーニングを積み、今年5月16日にデビューを迎えた。「ものすごくおとなしいし、賢いですよ。すぐいろんなことを覚えてくれるし。初めて誘導にいった日だけはピリッとしたけど、走らなくていいと分かったらすぐノンビリとして」と担当する東京競馬場業務課の吉田誠さんは目を細める。「今まで見てきた馬で一番賢いんじゃないかな」。馬に携わって30年余りのベテランも、その性格面の良さを絶賛する。

 走るために訪れていた競馬場。レースの記憶が残る馬の多くが、最初はなかなかおとなしくしていられないという。「やっぱり競走馬と誘導馬はやることが正反対じゃないですか? 地下馬道を歩くと、これからレースだと思ってイレ込む馬は多いんですよね」。だが、ベルーガはすぐ順応した。

「訓練の数をこなしてジッとしていることを練習して褒めてあげて…。その繰り返しなんですけど、かなり早く覚えましたね。地下馬道もイレ込んだのは最初だけでした」。記者が頬をなでても全く嫌がるそぶりを見せず、気持ちよさそうに目を細める。その姿にたけだけしい現役時の面影はない。

 競走馬としては21年11月に東京でデビュー。2連勝で共同通信杯を制し、日本ダービーではドウデュース、イクイノックスを抑えて1番人気にも支持された。ビッグタイトルには手が届かなかったが、注目度は現役を退いた今でも高い。「今年のダービーの日の午前中も誘導をしたんですけど、写真を撮る人はめちゃくちゃ多いですね」と吉田さん。「妹(ボンドガール)が、誘導デビューした次の日(ヴィトクトリアマイル)に走ったんですよ。そのことをお客さんから言われたりもして。とても人気があるなと実感します」。

特にトレードマークとなっている左目の三白眼=円写真=をカメラに収めるファンが多いようだ。

 今後はキャリアの幅を広げる可能性もあるという。「今は僕しか乗っていないですが、そのうち少年団だったりも乗れるようになると思いますよ。それだけおとなしいですし。夏は競馬がないのでいろいろ訓練をやってみて、どうなるかですね」と競技馬術への転身も視野。だが、やはり一番は競馬を盛り上げる使命が大きい。「有名な馬なので、なるべく誘導に使えるようにしていきたいです」。全2勝を挙げたのはビッグレースが目白押しの東京競馬場。日本ダービーなどG1を彩る新たな輝きに、今後も目が離せない。(角田 晨)

 ダノンベルーガ 父ハーツクライ、母コーステッド(父ティズウェイ)のセン7歳。美浦・堀宣行厩舎から21年11月デビュー。翌22年の共同通信杯を無傷2連勝でV。

以降は勝利なしも、同年天皇賞・秋3着、23年ドバイ・ターフ2着などG1戦線で好走。25年ジャパンC13着がラストランとなった。通算成績は16戦2勝(うち海外2戦0勝)。総獲得賞金は4億3742万9400円(うち海外2億256万6400円)。

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