Jリーグは2026年8月7日、歴史的な転換点を迎えた。1993年の開幕以来、日本サッカーの標準だった2月開幕~12月閉幕の「春秋制」に幕が下ろされ、今季より欧州主要リーグと同じ「秋春制(8月開幕~翌年5、6月閉幕)」へと完全移行した。
最大の変革は欧州の移籍マーケットとカレンダーが完全に合致し、ボーダーレス化がさらに加速することだ。欧州移籍を目指す日本人選手にとっては、シーズン開幕のタイミングが同一になることで移籍や交渉のハードルが下がり、キャリアを描きやすくなる。一方で、優秀な若手タレントの流出が早まり、一時的なJリーグのレベル低下や空洞化を懸念する声もある。
そうした中で注目すべきが、新たに加入する外国籍選手の「質の変化」だ。Jリーグは「ブラジル人が全体の約5割を占める」という傾向が長く続いた。だが、近年はスカウティングのグローバル化により、欧州リーグでの実績を持つ実力派の獲得が増加傾向にある。今夏も欧州と開幕のタイミングがそろったこともあってか、元バルセロナなどでプレーしたMFロメウ(34)が福岡、ドルトムントやアヤックスなどで活躍した元コートジボワール代表FWアレー(32)が広島、ザンクトパウリなどでプレーしたオーストラリア代表MFアーバイン(33)がC大阪にそれぞれ加入した。
質の高い選手獲得には、クラブにも資金面での努力が必要となる。しかし、Jリーグの野々村芳和チェアマン(54)が「本気でACLE(アジア・チャンピオンズリーグ・エリート)を取りにいくチームは、よりハイレベルな選手が必要。クラブはその選手を獲得するための予算をどう増やしていくか、今以上に考えることになる」と語るように、各クラブの経営努力や編成のあり方を活性化させる起爆剤にもなり得る。
かつて元スペイン代表MFイニエスタが神戸に加入し、Jリーグに大きなインパクトと興奮をもたらしたように、欧州実績組の参入は若手流出の穴を補い、リーグ全体の競技レベルとブランド価値を押し上げる可能性を秘める。新章へ突入したJリーグ。世界基準へ歩み出した国内最高峰の戦いに注目だ。(金川 誉)

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