◆ジャックルマロワ賞・仏G1(日本時間8月16日22時50分発走予定、ドーヴィル競馬場・直線芝1600メートル)

 恩人と挑む欧州の大舞台に胸が高鳴る。シックスペンス(牡5歳、父キズナ)を送り出す田中博康調教師が「人生のターニングポイント」と振り返るのが騎手時代のフランス滞在。

その道筋を作ってくれたのが武豊騎手=栗東・フリー=だった。

 07年に44勝。09年クィーンスプマンテでエリザベス女王杯を制したが、翌10年は14勝(地方含む)と白星は減少した。環境を変えたいと思った指揮官は、世界の“ユタカ・タケ”を頼った。「どこかの国で勉強したいと相談した時に『フランスがいいと思うよ』と」。11年4月に渡仏後、夏に初めて食事を共にしたのが、今回の舞台となるドーヴィルだった。「そこで一緒に仕事をすることがドラマだなと思いますし、感慨深いものがあります」と思いをはせた。

 プライベートでの付き合いも始まり、レジェンドから多くを吸収した。「豊さんは騎乗技術とかを多くを語る方ではないですが、やってきたこと、心の持ち方はプロアスリートとして一言、一言に重みがありました」。10年毎日杯の落馬による大けがから、復活する姿も見てきた。「苦しい時代を間近で見させてもらって、13年のダービーをキズナで勝つとか、その時の気持ちをリアルタイムで聞けた。調教師としての心構えなど全てに繋がっています」と、感謝の言葉を並べた。

 18年の厩舎開業時に「いつか大きいところを一緒に勝てたら」と言葉を交わした。約束は8年の時を経て安田記念で実現した。「なかなかこれを超える感動はない」と振り返ったトレーナー。次は2人をつないでくれたドーヴィルで、夢の続きに挑む。(浅子 祐貴)

 ◆ジャックルマロワ賞の馬券発売要項 インターネット馬券(即PAT、A―PAT)で16日7時から発走予定時刻(日本時間22時50分)の2分前まで。UMACA(競馬場、ウインズなど)は同日の各事業所の発売開始時刻から営業終了時刻まで。式別は単勝、複勝、馬連、ワイド、馬単、3連複、3連単の7式別でオッズはJRA独自のもの。

 ◆ドーヴィル競馬場 1864年にフランス北西部のノルマンディー地方に開場。21年からナイター開催が可能となり通年でレースが行われているが、G1を含む主な重賞競走は7月から8月の夏に実施される。芝コースは1周2200メートル(右回り)と、ジャックルマロワ賞が行われる直線1600メートル。直線コースは平坦で起伏がほとんどなく、力を発揮しやすい形状となっている。芝コースの内側にはオールウェザーコースがある。

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