◆JERAセ・リーグ 広島5―10巨人=延長11回=(5日・マツダスタジアム)

 巨人が延長11回の総力戦で劇的な勝利を飾った。先発の田中将大投手が、味方のエラーもあり3回3失点(自責1)で降板。

打線も主砲のダルベック内野手が体調不良で欠場する中、代役で一塁スタメンに入った増田陸内野手が5回に同点ソロを放つなど奮起。2夜連続で5番に抜擢された石塚裕惺内野手が同点の8回に一時勝ち越し打。その裏に中川功太投手が逆転2ランを浴びたが、土壇場9回に2死から、浦田俊輔内野手が決死の二盗に成功。泉口友汰内野手の一打で同点に追いつき、最後は甲斐拓也捕手が延長11回に決勝ソロ。さらに代打・坂本勇人内野手が2点タイムリーを放って4時間37分にわたる死闘を制した。

 絶対に負けられない―。まるで短期決戦のような巨人ナインの執念で勝利をもぎ取った。1点を追う土壇場9回2死。浦田が決死の覚悟で二盗を決めた。勇気あるプレーに沸き立つベンチ。直後に、泉口がレフトへ同点タイムリーを運んだ。さらに四死球で満塁としたが、ここは一気に勝ち越しとはならなかった。

それでも延長11回に、途中出場の甲斐が大きな大きな一発を放った。総力戦で勝利を決める勝ち越し2号ソロ。今季2安打がいずれも土壇場での決勝弾という、無類の勝負強さを発揮している。さらに坂本勇人にもダメ押しの2点タイムリーが飛び出した。

 石塚も5番で大きな仕事をやってのけた。同点の8回1死、4番の大城が左翼線への二塁打で出塁。ここでしぶとい打撃を見せ、右翼線フェンス直撃の大きな一時勝ち越し二塁打を放った。二塁走者の大城の足を考えると、単打で得点は難しい場面。2日連続5番に抜擢された高卒2年目、20歳の若武者が、最高の結果で応えた。

 苦しい試合展開だった。先発の田中将大が初回、1死から佐藤啓にいきなり先制ソロを被弾。さらに2個の四球と安打で1死満塁のピンチを招いたが、ここで佐々木の三遊間への強いゴロを三塁・石塚がダイビングキャッチ。

好守でゲッツーを奪い、追加点を許さなかった。

 巨人は2回に相手バッテリーのミスで同点に追いついたが、3回に守備陣が乱れた。1死一塁から、ファビアンのセンターへの痛烈なライナー性の打球に、鈴木大和が一瞬、前にチャージ。直後に急停止しようとして尻もちをつきながら転倒(記録は安打と失策)。打球を後逸する間に一塁走者が一気に勝ち越しのホームを踏み、打者も三塁へ進んだ。1死三塁となると、さらに坂倉に犠飛を許し、マー君は3回を自責1ながら3失点で降板した。

 ジャイアンツ打線は1-3の4回に、大城が自身初の「4番弾」となる9号ソロ。「勝ち越された後の攻撃の先頭打者として、塁に出ることを意識していました」という一発で1点差に迫ると、5回には体調不良のダルベックの代役一塁として、3番に入っていた増田陸が左翼へ4号ソロ。「思い切りいきました」という豪快なアーチで試合を振り出しに戻した。

 石塚の“幻プロ1号”もあった。6回、先頭でレフトに大きな飛球を放った。歓声と悲鳴の入り交じる中、打球はグングンと伸びたが、フェンス際で左翼・ファビアンがジャンプ一番。

一瞬、ホームランかと思われたが、助っ人がグラブを開くとそこにボールが。見事な「ホームランキャッチ」に阻まれ、石塚のプロ初本塁打は幻となった。

 巨人は4回以降、リリーフ陣が踏ん張った。この日、再昇格したばかりの代木が2番手で4回を3人でピシャリと抑えた。5回に味方の守備の乱れで1死一、二塁のピンチを招いて、3番手・船迫とスイッチすると、ファビアンに左前安打を許したが、松本剛の好返球で本塁タッチアウト。6回は堀田、7回は森田と小刻みにつないで、広島に得点を許さなかった。

 石塚の適時打で4-3と勝ち越して迎えた8回に、6番手・中川が広島の佐々木泰にまさかの逆転2ランを被弾。それでも9回に執念で追いつき、最後は見事に勝ち切った。延長10回裏は、則本が無失点に抑えた。巨人が投打に総力戦で、泥臭く大きな1勝をもぎ取った。阪神が敗れたため、これで首位と3・5ゲーム差に迫った。

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