高速道路の入口やトンネルの手前など、高さ制限のある構造物よりも手前側に設置されている「接触式高さ警告装置」。
黄色い鎖や、黄色と黒色のトラ模様のバーなどが横一列に並んだその姿は、一見すると単なる目印のようにも映ります。
しかしその実態は、車両の屋根や積載物が接触した際に「ガシャン!」という大きな衝撃音を発生させ、ドライバーに異常を知らせる物理的な警告装置なのです。
もしこれが看板による警告だけであれば、運転に集中しているドライバーが見落としてしまう可能性があります。
特に、不慣れなトラック(レンタカー等)を運転している場合や、背の高いSUVにルーフキャリアを積んでいる場合など、自車の正確な高さを失念しているケースも少なくありません。
そこで、車両が接触した際に確実に異常に気づけるよう、意図的に物理的な接触を伴う仕組みとしています。視覚だけでなく聴覚と触覚(振動)のすべてに訴えかけ、「この先へ進むと通行できない、あるいは構造物に接触するおそれがある」という危機感を直感的に伝える設計になっているのです。
ハイテクより確実? 「アナログ」が多層防護の要になる理由現代の高速道路では、センサーで車両の全高を瞬時に測定し、電光掲示板で警告を出すシステムも導入されています。それでもなお、このアナログな鎖が併用され続けているのには理由があります。
センサーによる警告は、故障や悪天候による誤作動のリスクがゼロではありません。対してこれらの接触装置は、電力を必要とせず、物理的な接触がある限り確実に作動します。
また、鎖が車両に触れることで「車に傷がつくかもしれない」という心理的な抑止力が働き、強引な進入を思いとどまらせる効果も期待されています。
こうした「物理的な関門」としての役割は、ドライバーを守るだけでなく、その先にあるETCゲートやトンネルの天井、さらには橋脚といった高額なインフラ設備を甚大な損傷から守ることにも直結しています。
高速道路の入口で風に揺れる黄色い鎖。

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