2026年6月7日に実施された「令和8年度富士総合火力演習(総火演)」では、陸上自衛隊の将来装備品が紹介されました。25式高速滑空弾や25式偵察警戒車、装輪装甲車AMVの指揮通信型など正面装備が注目を集めていますが、“裏方”というべき重要な装備も紹介されました。
多目的監視レーダは、その名のとおり複数の役割を担うレーダー装置として開発されました。具体的には沿岸監視レーダー(地上監視レーダー)、低空レーダー、対砲レーダー、対迫レーダーなど、低空や地上・海上の目標を探知するための複数のレーダーの後継となります。
これらレーダーは、おおよそ1980~1990年代に導入されたものであり、そろそろ更新が求められていました。そこで後継として開発する新型は、これら用途ごとに分かれていた各種レーダーを併せ、1つのシステムに共通化することで、運用コストを抑制し、整備までを含め兵站面の合理化を図ろうと計画されます。開発は2020年よりスタート、こうして生まれたのが多目的監視レーダです。
一方、ロシアによるウクライナ侵攻以降、前線で多用されるようになった小型ドローンは、有人ヘリコプター等を想定して作られた既存の低空レーダーの能力では不十分でした。多目的監視レーダは、レーダー反射断面積の小さな目標の監視も可能と説明されており、こうした小型ドローンへの対処能力も強化されていると思われます。
総火演では映像で多目的監視レーダが公開されました。3 1/2tトラック(通称:3トン半)の車体に搭載されたもので、後部に回転するフェイズドアレイ・アンテナを備えています。
既存の装備を見ると、低空レーダーや地上監視レーダーは、より小型の高機動車に搭載されています。多目的監視レーダは「ファミリー化」が計画されており、もしかしたら今後、高機動車などで搬送可能な小型のモデルも開発されるかもしれません。

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