2026年6月13日、14日の2夜間で、山手線の上空を「橋のようなもの」がまたぎました。いまは橋桁を架ける途中の段階です。
場所は駒込-田端間。急斜面を切り開いた掘割の区間にあたり、その掘割のなかで山手線と湘南新宿ライン(山手貨物線)の線路が立体交差する場所の上空に橋を架けます。この区間で最も周囲の道路が高くなる場所で、線路側はかなり深い谷になっています。
「橋のようなもの」は、線路の北側の施工ヤードで組まれた橋桁を、南側へと押し出していくための「送り出し装置」と呼ばれるもの。本体の橋桁は線路上空の途中まで架かっています。
東京都第六建設事務所によると、線路の南側は施工ヤードを設けられなかったため、送り出し装置を公道上に張り出させて、車両通行止めにしながら送り出した分の装置を順次解体していくといいます。15日午前中時点でまさに解体作業が行われていました。今月は16日(火)と27日(土)にも夜間から翌日まで続く架設工事が予定されています。
送り出す橋桁は2分割されており、6月の一連の工事は「第1回」の架設作業にあたります。10月には「第2回」が予定されており、同じように送り出しては解体していく作業を行うとのこと。その後、「第3回」の工事として橋桁をつなぐ作業などが行われるといいます。
この橋は都市計画道路「補助第92号線」といいます。同路線は北区田端から西ヶ原までを結び、王子方面へ通じる本郷通りへと接続していますが、山手線の部分が途切れています。この道路を完成させるとともに、架設現場から約150m駒込寄りに位置する「第二中里踏切」を廃止することで北区とJR東日本が合意しています。
山手線の踏切は、埼京線や湘南新宿ラインが走る貨物線を含めると他にもありますが、旅客線すなわち緑色の山手線電車のルートでは第二中里踏切が唯一の存在です。遮蔽時間が長く、国土交通省の「改良すべき踏切道」に指定されているだけでなく、JRにとっては山手線の自動運転を実現するうえで“踏切ゼロ”が必須とされており、廃止が決まりました。
補助第92号線の事業期間は2029年度まで。今回の第1回目の橋梁架設工事は、そのなかでも大きなステップとなります。山手線最後の踏切の“最後のとき”が、確実に近づいています。

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