航空自衛隊のF-2戦闘機は2035年頃から順次退役が予定されるものの、後継の戦闘機「GCAP(グローバル戦闘航空プログラム)」開発の遅れを心配する声も出ています。
F-2自体は2000年の配備以降も改良が続けられてきました。しかし、近年は海外で空対空、地対空ミサイルは大幅な性能向上を見せています。一例を挙げると、2025年5月にインド軍の「ラファール」戦闘機を撃墜したとされる、中国が開発したPL-15長射程空対空ミサイルも高い性能を備えていると見られます。自己防衛力が高くないとこれらのミサイルに撃墜される恐れが高まり、作戦の継続を危うくします。
戦闘機の自己防衛装置は、赤外線を用いたミサイルに対してはフレア(熱源放射)、レーダー誘導ミサイルにはチャフ(極薄金属片など)が用いられることが一般的です。相手の早期警戒管制機の索敵レーダーからも含めた電子戦(Electric Warfare)下では、戦闘機のパイロン(兵器取り付け架)へ“外付け”する自己防衛装置も現れています。その1つが、スウェーデンの防衛大手サーブの「アレクシス(AREXIS)」です。
アレクシスは同じスウェーデンの小型戦闘機グリペンE/F向けに開発されました。筆者は、F-2の改良プランの可能性がありえる中、グリペンに搭載できるなら、機体サイズがやや大きいF-2の自己防衛装置にも、サーブはいずれ興味を示すのではないかと思い、同社に取材しました。外付け用なら自衛能力が向上する一方で、パイロンを塞ぐことでミサイルの搭載数が減り、攻撃力が落ちてしまうとも考えたためです。
回答は、まずアレクシスの基本的な性能について、レーダー警戒装置による自己防衛と、電子戦環境下での自機の置かれている状況認識、そして、電子妨害/攻撃(ECM)の3つがあると記されていました。電子機器のアンテナやセンサーとして広まったAESA(アクティブ走査アレイ)を用いて、使用電力の高効率化を促す半導体窒化ガリウム(GaN)も使ううえ、AI(人工知能)も搭載しています。このため、敵からの電波を受信すれば瞬時に使われている周波数帯を割り出し自己防衛に移ることができるとのことです。
気になるF-2への関心については、延命への改良自体がまだ具体的でないため踏み込んだものではありませんでした。
一方で「アレクシスは最新の電子戦能力を提供できるため、F-2にとって最適なシステムになると考えている。F-2に最新の電子戦能力を提供し、長期運用を確実に支えることができると確信している」という回答も。
もう一つの筆者が気になった点、ミサイルの搭載数についても、「アレクシスを主翼に結合した状態でもその外側にミサイル搭載を選択できる。グリペンでもアレクシスの外側にミサイルを搭載できる」とありました。つまり、F-2の既存の戦闘力を落とさず自己防衛力を最新のものにできるといえるでしょう。
F-2の改良は、現状ではあくまでもGCAP開発の遅れが生じる場合に必要となります。このため、できる限り安価に、そして最小限に収めることが欠かせません。こうした中で既にアメリカのメーカーが最新鋭レーダーとともに最新鋭電子戦システムの統合を検討しているとも報じられています。

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