「すかいらーく」資さんうどんが大幅増収増益 M&A効果も寄与、業績予想を上方修正

ガスト、バーミヤンなどを展開するすかいらーくホールディングス<3197>が、2024年に傘下に収めた北九州市発祥のうどんチェーンを運営する資さんの2025年12月期の売上高が228億円、営業利益が11億円となった。

前年度比では売上高は42%増、営業利益は71%増と大幅な伸びを実現した。

出店に力を入れた関東・関西の店舗では、1店舗当たり平均年商が九州の店舗の1.6倍、すかいらーく既存業態店舗平均の約3倍に達するなど、買収後のシナジーが業績拡大につながった形だ。

すかいらーくは、一部の市場関係者から買収価格に対する投資対効果を疑問視する声があったとしたうえで「この1年で高値掴みを払拭する実績が証明された」としている。

関東・関西で店舗網を拡大

すかいらーくが2026年7月に公表した「すかいらーくグループ統合報告書2025」で明らかにした。

同統合報告書によると、2025年12月期の資さんうどん事業の店舗数は94店で、前年度比27%増となった。

これに対し、売上高は同42%増、営業利益は同71%増で、店舗数を上回るペースで収益が拡大した。

成長を支えているのが、買収後に進めた関東・関西への出店で、関東・関西の1店舗当たり平均年商は九州の店舗の1.6倍、すかいらーく既存業態店舗平均の約3倍となった。

また、既存店舗から資さんうどんへの業態転換では、更地から新店を開設するのに比べ、1店舗当たりの初期投資額と工事期間を約半分に抑えられたという。

2026年8月13日に公表した2026年12月期第2四半期決算短信によると、2026年1~6月には資さんうどんを中心に26店の業態転換を実施したほか、台湾に資さんうどんを初出店した。

同日公表の2026年12月期第2四半期決算説明会資料では、資さんうどんの国内店舗数は、転換を中心に2024年10月の買収時の74店から、2026年6月末には110店まで拡大した。

今後は2030年までに国内400店以上、売上高1200億円以上を目指す計画だ。

海外では、2026年6月に出店した台湾1号店が好調で、2026年中に計3店舗、中長期では100店舗以上を目標とし、東南アジアへの水平展開も検討している。

3年連続で買収

すかいらーくは2025年12月期から2027年12月期の3年間の中期事業計画で、M&Aを成長戦略の一つに位置付け、3年間で3~5件の実施を掲げている。

これまでに、2024年10月に資さんうどん、2025年1月にムスリム(イスラム教徒)向けすき焼き・しゃぶしゃぶ店を展開するマレーシアのCreateries Consultancy Sdn. Bhd.などグループ3社、2026年4月に炭火焼干物定食店「しんぱち食堂」を運営するしんぱちを子会社化した。

2024~2026年にそれぞれ1件、合計3件のM&Aを実施しており、中期事業計画で掲げた目標の下限に到達した。

同社はM&Aの対象として、出店拡大のための経営資源を必要とする既存の飲食店チェーンや、優良なコンセプトを持ち事業拡大を検討する外食スタートアップ企業、すかいらーくのインフラを活用することで事業規模や効率を高められる配食・中食事業者などを想定している。

2026年の通期計画では、M&Aを含む投資金額として500億円を見込んでおり、成長投資を続ける方針だ。

「すかいらーく」資さんうどんが大幅増収増益 M&A効果も寄与、業績予想を上方修正
すかいらーくホールディングスの2024年以降のM&A

中期事業計画の目標を上回る見通し

すかいらーくは、ガストやバーミヤンのほか、ジョナサン、しゃぶ葉、資さんうどんなど複数の事業を展開しているが、報告セグメント(決算上の事業区分)はレストラン事業のみとなっている。

2025年12月期の売上高は4577億9400万円(前年度比14.1%増)、営業利益は299億5700万円(同23.9%増)の増収増益となった。

同社では既存店の強化や出店効果に加え、資さんうどんとマレーシアでのM&A効果が業績拡大に寄与したとしている。

2026年1~6月期も、売上高は前年同期比9.7%増、営業利益は同20.9%増となり、2026年8月13日には、2026年12月期の業績予想を上方修正し、売上高は従来予想の4900億円から5000億円に、営業利益は335億円から350億円に引き上げた。

「すかいらーく」資さんうどんが大幅増収増益 M&A効果も寄与、業績予想を上方修正

2027年12月期を最終年度とする中期事業計画では売上高約4600億円、営業利益約320億円を目標としており、最新の2026年12月期予想はこれを上回る水準となる。

資さんうどんの買収後の成長が続く中、M&Aの実施件数は中期事業計画の目標下限に到達し、2026年12月期の全社業績予想も最終年度の目標を上回る見通しとなった。

2026年4月に買収したしんぱちが運営するしんぱち食堂では、グループのリソースを活用した出店候補地の選定を進め、2026年12月期下期から2027年12月期にかけて出店を加速する方針だ。

資さんうどんに加え、しんぱち食堂でも買収後の成長への取り組みが本格化する中、M&Aについても目標の上限である5件に向けて、新たな案件の検討が進みそうだ。

文:M&A Online記者 松本亮一

「すかいらーく」資さんうどんが大幅増収増益 M&A効果も寄与、業績予想を上方修正
M&Aが生み出すビジネス革新
編集部おすすめ