〈ちいかわ争奪戦〉「転売ヤーから買うなんて魂を売るようなもの」映画特典シールに殺到…満席続出の裏側
〈ちいかわ争奪戦〉「転売ヤーから買うなんて魂を売るようなもの」映画特典シールに殺到…満席続出の裏側

7月24日に公開された劇場版アニメ『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』は、公開から14日間で観客動員数350万人、興行収入50億円を突破した。映画本編だけでなく、劇場でもらえる入場者特典にも人気が殺到。

第2弾として「ボンボンドロップシール」が配布された8月8日には、都内の映画館で満席が相次いだ。一方、配布前からフリマアプリへの出品や、ニセモノと疑われる商品も確認され、映画鑑賞後にファンが向かった「カレーハウスCoCo壱番屋」では、コラボメニューまで品切れに。各地で起きた“ちいかわ争奪戦”を追った。

ボンボンドロップシール発表後、正規品とは異なる商品が…

第1弾の入場者特典として配布されたのは、ちいかわやハチワレ、うさぎなど全8種類の「チャームミニフィギュア」。いずれか一つがランダムで手渡される劇場限定品で、配布開始から間もなく、各地の映画館で配布終了が相次いだ。

さらに、8月8日から第2弾として「ボンボンドロップシール」が配布されることが発表されると、SNSでは「絶対に欲しい」「2回目も行かなきゃ」といった声が上がった。

一方、人気作品の限定品だけに、配布前から懸念されていたのが転売だ。フリマアプリ「メルカリ」では、一般客への配布が始まる前日の段階から、「ボンボンドロップシール」と称する商品の出品が確認された。なかには、正規品とはデザインなどが異なる商品や、真贋を確認できない出品も目立った。

実物には「転売禁止」と明記されているが、配布が始まった8日午前には、早くもシールの出品が相次いだ。

第2弾の配布初日、都内の映画館では、事前予約の段階で日中の上映回の大半が満席となっていた。わずかに空席が残る映画館を訪れると、来場者からは「間に合ってよかった」「さすがに、まだ特典はあるよね」と、安堵と不安が入り交じった声が聞かれた。

「転売ヤーから購入するなんて、魂を売ってしまうようなもの」

八王子市から訪れた親子も、入場者特典を手に入れようと、朝から空席のある映画館を探したという。

「近隣の映画館がどこも満席だったので、事前予約しなかったことを後悔しました。

それでもシールをあきらめたくなかったので、早い時間から空席のある映画館を探して大急ぎで来ました」

「ボンボンドロップシール」は、入場券の二次元コードをゲートでかざしたあと、館内スタッフから一人ずつ手渡される。映画公式サイトでも、複数の座席指定券を持っていても、同一上映回でもらえる特典は一人ひとつと案内している。

この日、入場者特典ではなく、劇場で販売されているグッズを目当てに訪れた30代女性は、シールが欲しい気持ちはありながらも、転売品の購入には強い抵抗があると話した。

「もしシールが手に入らなかったとしても、転売品は買いません。ちいかわが大好きすぎるので、転売ヤーから購入するなんて、魂を売ってしまうようなものです。恐ろしくて考えられません」

では、一般客への配布前から出品されていた商品は、どのように用意されたのか。ちいかわファンで、玩具メーカーに勤務する50代男性は、掲載された画像だけで商品の真贋や入手経路を判断するのは難しいとしたうえで、こう話した。

「配布前に出品されていたものについては、実物を入手する前に画像だけを掲載していた可能性もあります。一方で、現在は画像をもとに外見のよく似た商品を作ることも技術的には可能です。

ただ、出品画面だけで正規品か模倣品かを判断することはできません。購入する場合は、出品時期や商品の説明、実物の写真が掲載されているかなどを慎重に確認する必要があると思います」

真贋の確認は困難はであるし、そもそも公式が転売禁止をうたっている以上、購入すべきではないだろう。

コラボカレーも売り切れに…

ファンの“争奪戦”は映画館の外にも広がっていた。

カレーハウスCoCo壱番屋では、作中の重要な場面に登場するカレーをイメージした、オリジナルステッカー付きの「オリジナル島カレー」を販売。スプーン置きとして使えるフィギュアが付いた「コラボドリンクセット」も用意されている。

入場者特典第2弾の配布が始まった8日、都内の店舗を訪れると、「オリジナル島カレー」には「未販売」と掲示されていた。店員によると、前日に用意していた分が完売し、再入荷を待っているところだという。

映画館でシールを手に入れ、その足で店を訪れた男性(50代)も、予想外の売り切れに肩を落とした。

「今日はシールを目当てに劇場へ行き、無事に手に入れることができました。映画を観たあとにコラボカレーを食べると決めて来たのに……。売り切れなんて想像していなかったので、残念で仕方ないです」

それでも、取材中に食べただけで退店する客はいなかった。通常メニューのカレーにカツをトッピングし、映画に登場する一皿に見立てて楽しむ人の姿が目立った。

後日、都内の複数店舗に問い合わせたところ、映画館に近い店舗を中心に、「オリジナル島カレー」か「コラボドリンクセット」のいずれかが売り切れていた。販売中の商品も「残りわずか」という店舗が多かった。

空席のある映画館を探してシールを手に入れても、その先ではコラボカレーが品切れに。

それでも通常メニューで作中の一皿を再現するファンの姿に、『ちいかわ』人気の熱気が表れていた。

※「集英社オンライン」では、今回の記事に関連した情報を募集しています。下記のメールアドレスかXまで情報をお寄せください。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X:
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

編集部おすすめ