ボウリング場にある自販機といえば、セブンティーンアイス。セブンティーンアイスといえば、ボウリング場。

そのくらい、ボウリング場でよく見るセブンティーンアイスの自動販売機。そして条件反射のように、無性に食べたくなる。で、誰かひとりが食べてるともう、ガマンできなくなって買っちゃう。
もちろんスポーツ施設や地下鉄など、多くの場所で見る自販機なんだけど、ボウリング場で見ることがやけに多い。これって一体どうしてだろう。

セブンティーンアイスを製造販売する、江崎グリコ株式会社に話を伺った。

「セブンティーン第一号機がボウリング場に設置されたため、多くのセンター様に置かせていただいています」
どうして、ボウリング場が選ばれたの?
「当時ボウリング場は、若者、家族が集まるレジャーセンターの代表だったんです。そのため、ボウリング場をターゲットに据え開拓にあたりました。また、ワンハンドでスポーティーに食べられる新しい消費スタイルの提案だったことからも、当時スポーツレジャーセンターの代表だったボウリング場が開拓ターゲットになったのです。それが功を奏し、“ボウリング場に置いているセブンティーンアイス”として知名度を上げていきました」

1983(昭和58)年4月、グリコは“これまでにない新しいアイス”として、17種類の味があるセブンティーンアイスを開発した。京都などの店頭でテスト販売を行うと、1日でショーケースが空になる店が続出。アイスは爆発的な売れ行きを見せ、84年4月には全国に販売を拡大させた。

ところがその年の秋、突如としてブームは収束。売り上げは低下する。
しかし翌年の85年、発売直後から開発に着手していた、セブンティーンアイス専用自動販売機が完成。先ほどの話にあったように、ボウリング業界に集中して開拓することで、売り上げは再び伸びた。

そんなこともあって、87年からは自販機での販売に重点を置いて展開。ボウリング場以外でも、多くの場所に置かれるようになっていった。


ちなみに「セブンティーンアイス」という名前の由来は、2つの「17」が関係している。ひとつは、さっきの説明で勘付いてる人もいると思うけど、「17種類」のアイスで始めたこと(現在は17種類以上に増加)。そしてもうひとつは、「17歳の女子高生」をメインターゲットに据えていたこと。

ボウリングでいいところなしのときには、セブンティーンアイスを食べながらそんな豆知識を披露して、せめてもの存在感を示してみては?

ボウリング場に自販機が置かれたころセブンティーンだった人たちは、今やアラウンド40。
この夏、セブンティーンアイスと、17歳の自分を味わうためボウリング場へ……なんてのも、いいかもしれませんね。
(イチカワ)