銀行ATMのタッチパネルを押しても、なかなか反応しないというときはないだろうか。

自分の場合、何度押しても反応せず、「もしかして指がカサカサしてるのか?」と不安になることがあるけど、いったいどんな理由なのだろうか。

「タッチ反応しにくい人」というのがいるもの? 乾燥や体温が影響してるの? 
平面上を押すだけに、どうにも押した感が乏しく、反応しにくいときには強く何度も押してみたりするけど……。

ある銀行のインフォメーションセンターに聞いてみると、こんな回答があった。
「乾燥している時期はタッチ反応が悪いと聞くことはありますね。対策は……機械を替えていただくか、何度も押していただくしかないと思います」

また、別の銀行のインフォメーションセンターに聞いても、同じく、
「こちらには特にそういったご意見は寄せられていませんが……反応しにくいときは、おそらく乾燥のせいではないでしょうか」
と言われた。
ということは、やっぱり自分の指がかさついているということ? なんだかショック……。

そこで、銀行ATMの代表的メーカーの1つ・日立オムロンターミナルソリューションに解消法など聞いてみたところ、広報担当者がこんな説明をしてくれた。

「画面上のタッチ反応が悪いのは、乾燥や体温などが影響しているわけではありません。そもそも接触して反応するわけではありませんので」
!? でも、ボタンを押しますよね?
「ATMは今、画面に光が入っている光学式タッチパネルになっており、端の方から赤外線を出し、交差するところを検出しています。つまり、空間の中で光を遮った位置で反応するので、体温や乾燥などがかかわってくるものではないんですよ」

では、なぜ、なかなか反応せず、かわりに意図していないボタンが反応してしまったりするのか。
「冬に誤動作が多いと思う方も多いようですが、乾燥ではなく、長い服を着ていたりして、袖などが先に触って反応してしまうという可能性はあります。また、タッチしようとしている人差し指でなく、小指が先についてしまったりしている場合も考えられますね」

その他に、「押しても押しても反応しない」という場合として考えられるのは……。
「たとえば、画面上のキーのないところにモノを置いていたりしませんか。
また、稀にですが、2点を同時に押していたりすることもありえますね。これら以外では、ATMの機械本体が汚れていたり、光の一部が壊れているという可能性も考えられますので、どうしても反応しない場合は、やはり機械を替えていただくのが良いと思います」

いわれてみれば、画面上のキーの場所には十分注意していても、ATMの片隅に傘の柄をひっかけていたり、キーのない場所の隅っこにモノを置いたり、なにげなく袖が触れたりなんてことは、けっこうありそう。

「ATMが反応しにくい」とお嘆きの方は、乾燥のせいではないので、ご安心を。そして、上記の点をもう一度チェックしてみるのをお勧めします。
(田幸和歌子)