先日、ある店で見つけた「チャーペット」
「チューペット」ではない。
チャーハンの素の「チャーペット」である。

オレンジ色の地にレトロな感じのロゴ、しかも「スープ付」! さらによく見ると、ロゴの上には「♪チャーペット♪チャーペット♪チャーペット♪チャーペット♪」と謎の文字があるけれど……まさかテーマソングまであったりする?

気になって調べてみると、実はこの商品、昭和40年代ぐらいにはテレビCMまであったらしく、ネット上では「昔は『チャーハン=チャーペット』だと思っていた」「子どもの頃、よく食べた『チャーペット』。もう売ってないらしい」といった様々な情報が見られた。
これは復刻版ということだろうか。販売元の富士食品工業に聞いた。

「ご指摘の通り、『チャーペット』は昭和46年頃には、テレビCMも流れていたようです。
ただし、販売エリアは関東から静岡、仙台の東日本エリアでした。また、14~15年前にいったん終売しており、いま出ているのは、今年9月に発売された復刻版なんですよ」(販売促進室)
昔は「洋風チャーハンの素」「チキン味」「ビーフ味」の3種があったが、復刻版は洋風チャーハンの素の1種のみ。パッケージデザインはほとんど昔のままだが、味は「昔とまったく同じには作れない」ということで、昔ながらの醤油系の味として再現しているのだという。

ところで、なぜ14~15年の時を経て、復刻したのかというと……。
「何年も前から、手紙やメールで『チャーペットはないの?』とか『チャーペットもう一度出す機会はありませんか』という問い合わせがちょこちょこありました。子どものときに食べられた方々のようで、東日本でしか売ってなかったものですし、よく皆さんご存知だなと非常に驚き、嬉しかったですよ」

そもそもチャーペットが14~15年前に終売となった理由は、「別の商品に切り替えたから」。
だが、別の新しい商品は伸びず、現在は終売しているそうで、根強いファンの声からチャーペットが復活に至ったということらしい。

それにしても、美味しいチャーハンの素が多数あるいま、なぜ「チャーペット」なのか。担当者は言う。
「昔は『チャーハンの素』というと、あみ印さんとウチぐらいしかありませんでした。特に、スープがついてるチャーハンはウチだけだったので、そのイメージが強かったのではないかと思います。その後、他のメーカーさんがいろいろ参入され、永谷園さんが参入されたときには市場がいっきに3倍になりました。
そのうち70%のシェアが永谷園さんになったわけですが(苦笑)」
家庭用チャーハンの素がメジャーになったのは、永谷園の功績が大きいが、東日本エリアで、昭和40年代に子ども時代を過ごした人たちの局地的な「思い出の味」となっているということなのか。

ところで、今は様々な具が入った美味しいチャーハンの素が多いなか、「チャーペット」は基本的に具なし! そのあたりの潔さも昔懐かしい感じはする。

現在、チャーペットはローソン100やショップ99などで販売中。「子どもの頃食べた」という人も、全く知らない人も、ぜひお試しあれ。
(田幸和歌子)