近年、「菌が生きて腸まで届く」などの“機能性”を重視したヨーグルトが人気となっている。

こうした傾向は、日本独特のもの? 「ビヒダスヨーグルトBB536」など、人気の機能性ヨーグルトを販売している森永乳業に聞いた。


「ヨーグルトの機能性には、乳酸菌やビフィズス菌による“生理機能”と、食品としての“栄養機能”があります。海外でも“機能性”を重視している傾向はありますが、日本のようなトクホ制度はありませんので、商品そのものに乳酸菌やビフィズス菌の生理機能を表示したものはありません」

現在ではよく聞かれる「プロバイオティクス」という言葉は、1989年にイギリスで定義されたもの。だが、実際の商品への応用は、ビフィズス菌などの研究が盛んだった日本が進んでいるそうで、「90年代に日本から逆輸入された形で欧州でもブームになったのでは?」ということだ。
「一方、栄養的な機能性への注目は欧米の方が早く、『低・無脂肪』や『低カロリー』などを謳った商品は、20世紀末には大きな市場に成長していました」
日本ではようやくここ数年「無脂0」製品がブームになり、広がりを見せているところだ。

では、ヨーグルトの機能性の注目はいつから?
「90年代になってからで、特に弊社ビヒダスヨーグルトBB536が特定保健用食品に認定された1996年頃からは、多くのお客さまがヨーグルトの機能性に興味を持ち始めました。2000年には、マスメディアの影響で機能性ヨーグルトが爆発的な人気となり、各社から様々な商品が発売され、このブームをきっかけに、お客さまが健康のためにヨーグルトを購入することが習慣化したのではないかと感じています」

昔は「ヨーグルト=おやつ」というイメージもあったもの。
食べるシチュエーションなどにも変化があるのだろうか。
「機能性ヨーグルトは朝食と一緒に、朝食変わりに食べていただく方が多いです。2005年頃に脂肪0ヨーグルトのブームがあり、当時はフルーツタイプの脂肪0ヨーグルトが多く発売されていたので、食べるシーンは昼食後、おやつといった方が増えました。しかし、さらにその後の2008年に弊社からビヒダスヨーグルト脂肪0が発売され“プレーンタイプの脂肪0ヨーグルト”の人気となり、再び朝食に食べていただく方が多くなっています」

ちなみに、機能性ヨーグルト人気の一方で、「サラッとしたヨーグルトは物足りない」「コクのある濃厚なヨーグルトを楽しみたい」という人もいるもの。
そんななか、発売されたのは、欧米で急成長している “ギリシャヨーグルト”に着目した、国産初のギリシャヨーグルト「濃密ギリシャヨーグルト PARTHENO(パルテノ)(※首都圏限定チャネル)」。
こちらは、 “リッチな気分、至福のひととき”を感じたいときに食べる新感覚新食感のヨーグルトなのだそうだ。


「健康のために毎朝食べる機能性ヨーグルト」と「楽しみで食べるリッチなヨーグルト」。ヨーグルト市場の拡大とともに、細分化も進んでいます。
(田幸和歌子)