煮干26種類食べ放題&持ち帰り放題&解剖し放題の「ラーメン凪の煮干王国納涼祭 」に行ってみた

アゴ・カマス・エソといった26種類の煮干が食べ放題&持ち帰り放題、さらに解剖まで行えてしまうイベントが「ラーメン凪の煮干王国納涼祭」です。

今回のイベントを主催した「ラーメン凪」は日本に8店舗、海外14店舗を展開しており、日本では煮干、海外では豚骨をメインにしたラーメンを提供。
ラーメンに使う煮干は、日本全国から厳選した20種類以上のものをブレンドし、60グラム以上使用するという並々ならぬこだわりを持っています。

2015年の3月に第1回が開催されたものの、こういったイベントでは異例の短期間での2回目の開催。今回はラーメン凪社長の生田智志氏、そうめん評論家のテリー植田氏、煮干の解剖に関する著書を持つ小林眞理子氏などのお話が聞けるイベントに7月31日に行ってきました。

会場は前回に続きお台場にある東京カルチャーカルチャー。ここではほぼ毎日トークショーが行われています。
煮干26種類食べ放題&持ち帰り放題&解剖し放題の「ラーメン凪の煮干王国納涼祭 」に行ってみた


最高級イワシなど26種類の煮干が持ち帰りできる


ステージの前には煮干がたっぷり。今回のイベントでは、26種類もの煮干が用意されており、すべて持ち帰りが可能。
市場にはあまり出回らない「裸イワシ」といった深海魚の煮干や、最高級の「カタクチイワシ」も置かれています。入場料は前売りで2000円と安くはありませんが、こういった煮干が食べ放題&持ち帰り放題といったイベントはそうそうないので、おトクといえそう。
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煮干の作り方を解説


イベントがスタート。会場には「かねと水産」の内山和也さん、「マルサヤ」の上野賢治郎さんも来ており、煮干の作り方の解説がスタート。
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煮干しにする魚は、水揚げ後すぐに氷水に入れシメるそう。この工程や輸送時間はその後の煮干の味に大きな影響を与えるとのことです。
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そののちにイワシを高温でゆでるなどの工程を経て、煮干を天日で干します。

「煮干にされる魚にしてみれば氷水に入れられる、暑いお湯の中で茹でられる、天日で干されるはでたまったもんではないはずです」と業者さんのコメントが妙に冷静です。
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続いては今回のメニューに使われるそうめんの紹介。そうめんは1200年もの歴史を持つ食べ物で、奈良時代に唐から伝来したという説が有力。今回の登壇者であるそうめん評論家のテリー植田さんの親戚は、日本そうめん発祥の地奈良県桜井市の麺屋さんです。
「今回メニューとしてお出ししているそうめんは、天皇に献上するような高級品ですが地元では流しそうめんにしたりすることもあります。罰当たりなような気もしますよね」とテリー植田さん。

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会場限定ソーメンも煮干の旨味たっぷり


さんざん煮干とそうめんの話を聞いた後に、ちょうどいいタイミングで頼んでいた「二ボキムチ(税込500円)」と会場限定の特製ソーメン「すごい!煮干ソーメン(税込950円)」が登場。ラーメン屋さん主催のイベントですが、今回提供されるメニューは夏ということもあってかそうめんです。
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ラーメン凪と蒲田の焼肉店「食道園」がコラボした二ボキムチは、辛味だけでなく野菜の甘みや旨味が感じられ、煮干の旨味がなんの違和感もなくハマっており美味。韓国のキムチには「アミ」と言われるエビの一種を塩辛にして入れているケースが多いのですが、煮干の旨味もキムチに良く合うようです。
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煮干ソーメンは滑らかな食感で、細いながらしっかりと存在感のある麺に仕上がっています。大量の煮干を使い、小豆島産の醤油など全国から厳選した材料を取り寄せているというだしは、しっかり煮干の旨味が感じられ、ごま油の風味がする一味違った味にに仕上がっていました。
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今回のために凪のスタッフが作ったという手作りのワンタンはそうめんよりも水分が多く、ツルツルとした食感&モチモチとしたかみごたえが最高!
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続いては煮干を試食。
26種類あるので、全種類制覇するだけでかなりお腹が膨れること間違いなし! 煮干好きの人間だけでなく、猫にとってもここは天国なのかもしれない……。
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イカなども含め全26種類の煮干を食べてみたが、筆者が気に入ったのは九州などでよく使われるアゴ(トビウオ)の煮干。かすかに甘味を感じ、香ばしくしっかりとした旨味があるこの煮干は、他のものより格段に大きいのも特徴の一つです。
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煮干を解剖してもらった


美味しかったこともあり、アゴに興味がわいたのでこの煮干を解剖してもらうことに。解剖を行うのは煮干しの解剖に関する著書を持つ小林眞理子氏。本職は教員ながら、子どもたちに生物の楽しさを教えるために、定期的に煮干し解剖教室を開催しています。

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生魚の解剖ではないので、煮干だと手がベトベトせず刃物を使わず解剖ができるのもメリット。ペンライトを持って細かい部分の紹介が始まりました。生きている魚同様に、煮干にも臓器があるので、こうなったら解剖をしてとことん煮干に詳しくなってやる!
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まずは目玉。乾いているので小さくなっています。
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頭の中に入っているのは、アゴの脳。この部分は目玉より小さいようです。

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これはアゴの心臓。血管が付いています。
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細かい部分も解説をして頂き、解剖が終了。こういった解剖を行う際は、臓器が入っているものが好ましいため、お腹が割れていないものを選ぶのが良いそうです。当然、メスとオスも存在し、メスのアゴには卵が入っていることもあります。
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盛りだくさんのイベントも約2時間で終了。飲食代などを含めると決して安くはないものの、どっぷりディープな世界を知れる貴重な経験でした。魚や煮干が好きな人だけでなく、飲食店を経営している人などには特にオススメです。今回のイベントも短いスパンで行われたこともあり、第3回も行われる可能性もあるかもしれません。