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「しのび逢い」「ろくでなし」「エトランゼ」…昭和歌謡独特の言い回しから当時の世相を考える

2018年8月15日 08時00分 ライター情報:野崎 泉

昭和歌謡をあらためて聴いてみると、日常会話では使わない「あんちくしょう」や「エトランゼ」など独特のワードが多かったことに気づいた。リアリズムを追求すると言うよりも、どこか大衆の夢や憧れ、虚構の世界みたいなものを歌っていたのではないだろうか。対して、平成の歌詞は「うんうん、こういうことあるよね~」みたいな共感路線に徐々にシフトしていった感がある。7月の新刊、『歌詞を愛して、情緒を感じて 昭和歌謡出る単1008』(誠文堂新光社)という書籍を読んでふと、そんなことを考えた。昭和歌謡に頻発する、象徴的なワードをあいうえお順に並べ、受験生時代を思い出す「出る単」仕様にしたもの。平成も終わりに近づいたいまこそ、登場するワードから、我々が知らず知らずのうちに失ってきたものを考えてみたい……そんなわけで、著者のライター・田中稲さんにお話をうかがってみることに。
昭和の絵師と呼ばれ、『同棲時代』などの名作で知られる上村一夫氏のイラストが、うら寂しく湿った昭和ムードを盛り上げる。上村氏の作品は当時のヒット曲、北原ミレイ「ざんげの値打ちもない」のレコードジャケットにも使われていたそう。



歌詞にもレコード・カセット文化の影響が


――さっそくですが、歌謡曲にハマるきっかけのようなものはあったんですか?
私自身が1969年生まれで昭和歌謡が華やかなりし世代だったこともあるんですが、若い頃にカラオケ雑誌の編集部でアルバイトしていたことが大きいです。そこでカラオケ大会などを取材するうちに、自分がリアルタイムで体験したより、少し前の昭和歌謡にも興味を持つようになりました。
当時、好まれた言い回しというのがあるんですよね。たとえば「ブルーライトヨコハマ」に「小舟のようにゆれて~」みたいな言い回しがあるんですけど、違う作詞家さんがつくった別の楽曲にも同じフレーズが出てきたりする。そんな感じで独特の世界があるなあ、おもしろいなあ、と思ったのがきっかけですね。
あと5歳上の姉がいるので、姉が好きなものが輝いて見えたということもあるかも。ちなみに、最初にファンになったのはヒデキ(西城秀樹さん)でした。

――まさに「ちびまる子ちゃん」のような少女時代だったんですね。隔世の感を抱いたのは、「ダイヤル」や「テレフォンボックス」などの電話関係、「レコード」「カセット」「A面」などの音楽再生関係、あとは「ラブレター」「ダイアリー」といった書き文字文化。失われたものがこんなにあったんだ!と驚きました。

レコードやカセット文化が衰退するとは、昭和の頃には思いもよりませんでしたよね。A面にはポップでメジャーな曲が収められているのに、B面にはとんでもない曲が入ってたり……A面・B面という概念も昭和歌謡ならではですね。一方、いまのメディアって、意外と歌詞にはあんまり登場しないような気がします。「哀しみのスクロール」とか、もっとあってもいいのにね(笑)。
このような感じで、昭和歌謡に頻発する、象徴的なワードがずらりと並ぶ。

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ライター情報: 野崎 泉

歴史やストーリー、何らかのバックグラウンドのあるものに魅かれます。古本、レトロ建築、喫茶などをテーマに大人の乙女道を追求中。

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