フランス人は冷凍食品が好きだ。いや、正確に言えば、冷凍食品専門店「ピカール」が好きだ。
このピカールが日本のイオンと提携する。イオンは年内に首都圏のスーパー約10店舗で専門の売り場を設け、1年間ほど売れ筋などを調べた後、2016年にピカール商品の専門店を開く方向だそうだ。ピカールとはフランスでどんな存在なのか? 
ついに日本上陸! フランス冷凍食品"ピカール"のココがすごい

ピカールはフランス人にとって生活の一部だ。冷凍食品の専門店だが、その品ぞろえはじつに多様で、大抵の食べ物はここで手に入る。それはブロッコリー、人参などカットされた野菜から、肉、魚の切り身、本格的なフランス料理の一皿や日本のすし、ケーキなどのデザートまで何でもありだ。冷凍食品なので手間もかからず、すぐ食べられるし、価格も手頃だ。
フランス人はピカールをどう思っているのだろうか?

周囲のフランス人に聞き込んでみると、普段の食事の他に、パーティーの準備でピカールを使うと答えた人が多かった。フランス人は、よく自宅に人を招いてホームパーティーをする。ピカールに行けば、手軽にそれなりの食事を用意できて便利なのだ。会社の昼にピカールへ行き、買ったものを温めてランチにするという人もいた。

ピカールは自社で開発した独自の商品(プライベートブランド:PB)を出している。その品質に信頼を寄せる声が多い。
他の小売店の冷凍食品は買わないが、ピカールのPBは買うという人もいた。理由はBIO(ビオ:有機農産物・加工品)に対応した商品が多いということ。有名なパティシエと共同開発するなど、食後に必ずデザートを取るフランス人にとって、主菜以外にも魅力的な商品が多いことが挙げられる。幼児食も扱っている。

一定以上の金額を購入すれば自宅まで無料配送してくれるため(これはピカールに限らず他の仏小売店も行っているが)、重い冷凍食品を持ち帰らなくてもいい。
ついに日本上陸! フランス冷凍食品"ピカール"のココがすごい

ピカール商品の日本での価格は、前菜から主菜、デザートまで600〜2千円程度になるそうだ。
これはイオンが手がける冷凍食品の倍以上の値段で、フランスでのピカールの立ち位置とは異なり、高級冷凍食品路線になるという。仏現地メディアは、アジア初となるピカールの日本進出をどう捉えているのか。

仏BFMは、日本は冷凍食品を好む人が少ないとし、日本の伝統的な料理に冷凍食品は向いておらず、欧州と比べ日本の消費者は冷凍食品を使う習慣がないと、現状を解説している。一方で、とりわけ若い世代の家庭や単身世帯、料理に時間を割けない働く女性が増えているため、その傾向は変化しつつあるとも報じた。日本でのピカールの商品は、トリコロール(フランス国旗)が印されることで、(フランスのイメージから)高級な印象を持つ。日本人はフランス料理に目がない、と日本のフランス産品好きを伝えた。


ピカールの商品は、日本で受け入れられて1つの選択肢になっていくのだろうか。まずは日本で食べて確かめてみたい! 
(加藤亨延)