中国河北省には洛陽という都市がある。この都市は北魏や晋、隋、後唐などの王朝が首都とした歴史を持ち、古くから繁栄を享受してきた都市だ。
日本では京都に平安京があった頃、当時の中国王朝の首都だった洛陽にちなんで平安京の東側を「洛陽」と呼ぶようになったとされる。

 日本で「洛陽」という言葉が京都全体を指す場合があったり、京都に行くことを「上洛」と呼んだり、京都に「洛中」や「洛外」といった呼び方があったりするのは、このような経緯があるためだ。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、京都の写真を数多く掲載しつつ、「京都は洛陽より洛陽らしく、中国より中国らしさを持つ都市である」と称賛する記事を掲載した。

 記事は、中国の洛陽市は多くの王朝が首都を置いた古都として「最も深遠な中国文化を有していたはずの都市」であると伝える一方、工業化が進展したことで歴史を今に伝える建造物などは失われ、古都としての風格は失われてしまったと指摘。後唐などの時代の面影はもはや洛陽には存在せず、「当時の様子は想像するしかない」状況だと論じた。

 一方、京都には今なお「洛陽が生き続けている」と伝え、その都市設計や街並みは「中国人にかつての洛陽の姿を見せてくれる存在」と紹介。
中国はすでに失われたかつての洛陽の姿が今なお京都に存在していることを称賛しつつ、「1000年以上も前の洛陽はきっと、現在の京都のような街並みだったのかもしれない」と主張、日本人は洛陽を見たければ京都を訪れるべきだと論じた。

 しかも、京都の四季は非常に美しく、歴史的な文物や仏閣も数多く残されていると伝え、「中国の洛陽からかつての姿が失われる一方、日本にかつての洛陽が生き続けていることは、中国人としては残念としか言いようがない」と主張している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Nattee Chalermtiragool/123RF.COM)


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