昨年前期のNHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』で、注目を集めた真野恵里菜がノリに乗っている。真野は現在、NHK BSプレミアムでオンエアされている『この世にたやすい仕事はない』(木曜午後11時~)で主演を務めているが、4月24日から放映中の総合人材サービス「LIKE」のCMイメージキャラクターにも起用されたのだ。



 2006年、アップフロントグループの「エッグ」オーディションに合格した真野は、「ハロプロエッグ」の第2期生メンバーとなり、アイドルとして芸能界デビュー。08年3月に「ハロプロエッグ」を卒業後は、ソロ歌手として活動。女優業にも進出したが、13年2月でハロプロを卒業。

 その後は演技を中心に活動し、14年4月から公開された映画『THE NEXT GENERATION-パトレイバー-』シリーズでは主役に抜擢を受けた。15年には土屋太鳳山崎賢人コンビの話題作『orange』や、園子温版『リアル鬼ごっこ』をはじめ、5本の映画に出演したが、なかなかアイドル時代のイメージから脱却することはできなかった。

 転機となったのは、朝ドラ『とと姉ちゃん』への出演だった。
同ドラマでは、主人公・小橋常子(高畑充希)がタイピストとして就職した鳥巣商事の手厳しい上司・早乙女朱美役を演じた。常子にきつく当たる早乙女の姿は、まさに“ドSキャラ”そのもので、インパクトは絶大だった。

 朝ドラ出演以前は、ドラマのオファーがあっても端役が多かったが、『とと姉ちゃん』をきっかけに流れが変わった。昨年10月期の大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)では、主人公・森山みくり(新垣結衣)の親友で、元ヤンキーのシングルマザーという難役を好演し、評価を高めた。今年は2月に公開された映画『君と100回目の恋』に出演したほか、11月に公開予定の映画『覆面系ノイズ』への起用も決まっている。7月には舞台『僕だってヒーローになりたかった』にも出演する。


 ようやく、アイドルではなく、女優として確固たるポジションを築いた感がある真野。次はぜひとも、地上波ドラマ初主演の座を獲得してほしいものだ。
(文=田中七男)