今年5月に行われた日本大学と関西学院大学とのアメリカンフットボール部定期戦において発生した日大アメフト部による悪質タックル問題。騒動から2カ月以上がたち、世間の興味も薄れているなか、今なおこの問題を熱心に扱っているのがフジテレビ系情報番組『バイキング』だ。
日本中が猛暑に襲われた7月17日の放送では、番組前半の1時間をほぼ日大アメフト部問題に費やした『バイキング』。制作会社幹部はこう話す。
「確かに、この日は日大アメフト部の新監督に元立命館大学コーチの橋詰功氏が内定したとのニュースが流れた日で、騒動に大きな動きがあったのは事実。しかし、すでに視聴者はこの問題に飽きていて、そこまで大きく報じる必要があるとは思えない内容でした。いつまでもこの問題ばかりを扱う『バイキング』には違和感を抱きますね」
しかし、あえてこの問題を扱い続ける『バイキング』の戦略に理解を示す声も少なくない。
「ニュース番組であれば、ニュースバリューをしっかり捉えて、どのネタを報じるかを決める必要がありますが、今のワイドショーの場合は、必ずしも“ジャーナリズム”にのっとる必要はないですからね。
その一方で、ずっと同じネタを扱う背景には、『バイキング』ならではの事情もあるようだ。ある放送作家が明かす。
「MCの坂上忍さんは、『バイキング』で扱うネタについてかなり周到な予習をしているんですよ。
しかし、新ネタを扱うとなれば、当然予習が必要となってくる。
「坂上さんは相当忙しいので、なかなか予習に時間を割くことができないんです。そういった事情もあって、スタッフとしてもアメフト問題以外のネタに手を出しづらいということなのかもしれませんね」(同)
実際、MC坂上忍に対するスタッフからの“忖度”は、少なからずあるようだ。
「坂上さんはちゃらんぽらんに番組をやっているように見えて、実はすべてを想定内にこなしていきたいタイプ。生放送であっても、できる限り台本通りに段取りを進めたいとのことで、ハプニングがあると機嫌が悪くなってしまうことも多いそうです。
さすがに日大アメフト部問題はそろそろ打ち止めとなりそうだが、坂上がMCを続ける限り、同じネタを延々と扱い続ける『バイキング』戦略は継続しそうだ。