『100万回生きたねこ』の内容紹介(あらすじ)

今回記事でご紹介するのは1977年に出版されて以来全世界で読み継がれている不朽のロングセラー、『100万回生きた猫』(佐野洋子/講談社)のあらすじです。

本作は100万回生まれ変わり、様々な人間に飼われたトラ猫が、運命のパートナーに出会うまでの話。

人生において大切なことを描いた泣ける絵本として話題になり、大人から子供まで愛され続けています。なお初出タイトルは『100万回死んだねこ』でした。

※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。

『100万回生きたねこ』のあらすじ

ある所に立派な縞模様が自慢のトラ猫がいました。

トラ猫はとても気位が高く、自分以外の生き物全てを見下しています。

しかし人間たちはトラ猫の素敵な模様を褒めそやし、たっぷり愛情を注いで育てました。

このトラ猫は死ぬたびまた生まれ変わり、あらゆる時代のあらゆる人間に飼われてきました。

ある時は一国の王様の飼い猫として生を享けました。

出典:絵本「100万回生きたねこ」

王様は戦争が上手と評判で、周辺の国々を絶え間なく侵略し、破竹の勢いで領土を広げていました。

出陣の際も当然の如く飼い猫を連れていたのですが、敵兵が射た矢が当たり、猫が死んでしまった事にショックを受けます。

王様は戦争を止めて飛んで帰り、おいおい泣きながら猫の亡骸を庭に埋めました。

ある時は船乗りの猫として世界中の海を巡り、様々な町を観光しました。

しかしうっかり海に落ちて溺れ死に、気の毒な飼い主は酷く憔悴しきって、外国の港町の公園にトラ猫を葬りました。

そうして猫は何度も生まれ変わり、手品師・泥棒・サーカスの団長・孤独な老婆など、様々な飼い主のもとを渡り歩きます。

ところがどの生でも不慮の事故で命を落とし、愛する者を失った飼い主は嘆き悲しみ、亡骸を手厚く弔いました。

一方のトラ猫は飼い主の悲嘆も意に介さず、相変わらず自分の事だけを好きでい続けたのです。

101万回目に生まれ変わった時、猫には飼い主がいませんでした。

町のメス猫たちは立派な縞模様の虜と化し、こぞって貢ぎ物をし媚びるものの、それにはまるで靡かず野良猫として自由気ままに過ごしています。

ある日のこと、一匹の美しい白猫に出会いました。

彼女は他の猫と違い、トラ猫にさっぱり興味を示しません。

無視されたトラ猫はむきになり、彼女を振り向かせようとあの手この手を使い、やがて二匹は結ばれます。

ほどなく可愛い子猫がたくさん生まれ、初めて家族を持った幸せを実感した矢先、最愛の白猫が死期を迎えて……。

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