今回記事でご紹介するのは国語の教科書にも載っている名作、『坊ちゃん』(夏目漱石)のあらすじです。
夏目漱石は明治を代表する文豪。
本作の他にも『吾輩は猫である』『草枕』『こゝろ』など数々の傑作を生み出しました。
無鉄砲な性格で子供の頃から損ばかりしていた青年が、田舎の学校に教師として赴任し、悪党を成敗するストーリーは、痛快無比な読み心地で根強い支持を得ました。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『坊っちゃんの』のあらすじ
ある所に坊ちゃんと呼ばれる青年がいました。
坊ちゃんは裕福な家に生まれたものの、物心付いた頃から度々無茶をやらかしては周囲を呆れさせ、世間体を重んじる父や兄から疎まれています。
そんな坊ちゃんの理解者はお手伝いの老婆、清(きよ)だけでした。
坊ちゃんの成長後相次いで両親が亡くなり、家の売却が決まりました。
坊ちゃんも働き口を探す必要に迫られ、愛媛の中学校に教師として赴任します。
故郷で待ってる清が寂しがるといけないと思い、赤シャツ・野だいこ・山嵐・うらなりと勝手なあだ名を付けた同僚教師の話を、せっせと手紙にしたためて書き送る坊ちゃん。
後日坊ちゃんが天ぷらそばを四杯お代わりする現場を見た教え子は、黒板にでかでか「天麩羅先生」と書いた上、彼が宿直の晩を狙って大量のイナゴを仕込んできました。
その後教頭の赤シャツと野だいこに誘われて釣りに行くも、二人にこそこそ陰口を言われ、すっかり嫌気がさしてしまいます。
ある日のこと、同僚教師の山嵐が寮を出ていけと申し立てました。
坊ちゃんが暴れるので寮監が困っていると聞き、代わりに抗議に来たそうです。
坊ちゃんには全く心当たりがなく、事実無根の言いがかりに腹を立てます。
同僚のうらなりに紹介してもらった下宿に移った坊ちゃんは、そこで意外な真相を聞かされます。
赤シャツはうらなりの婚約者・マドンナを略奪した挙句、未練たらたらな恋敵を学校から追放しようと、腰巾着の野だいこを抱き込んで様々な嫌がらせをしました。
それに面と向かって反対した山嵐は赤シャツの不興を買い、坊ちゃんといがみ合うように仕向けられたのでした。
坊ちゃんはうらなりの送別会で山嵐と和解し、志を同じくする者同士、深い信頼で結ばれました。
その矢先に中学の生徒と師範学校の生徒が暴力沙汰を起こし、赤シャツの陰謀で不祥事の全責任を押し付けられた坊ちゃんと山嵐は、教育者の風上にもおけない卑劣漢に制裁を企てます。