「春は出会いの季節」なんて言葉をよく耳にするが、新しい出会いがあると緊張してしまうのは、私の気が小っちゃいからだろうか。いつも、実は期待よりも不安の方が大きい季節。

この傾向、世間では多く見られるもののようで。結果、環境に馴染めずに5月病や6月病を発症しやすくなる人もいるという。

そんな時、体の各所に精神的ストレスが“悲鳴”となって表れることも少なくない。頭痛、肩こり、不眠、食欲減退、過食……。そして何より「下痢」も、精神的ストレスに起因されることがある。
例えば、お腹が悲鳴を上げている状態のことをポップに「OPP(おなかぴーぴー)」とか呼んでたりするものだが、これが軽視できない。
お腹が痛いのはその人の体質が理由なのではなく、「過敏性腸症候群(IBS)」という病気なのかもしれないのだから。

IBSはストレスによる下痢をともなった腹部の痛みや不快感によって、生活に支障をきたす疾患。ひどい症状になると仕事を続けることができず、失職する人がいるほどの病気らしい。

「そこまでひどい奴なんて、滅多にいないだろう!」と思った方。現在、IBSの患者は日本国内で1200万人程度と推計されており、特に20~40代で患者全体の50%近くを占める羅患率となっているそうです。
ちなみにIBS自体は昔からある病気だが、ストレス社会の現代においては患者数も増えており、現代病の一種とも言えるという。


この病気が進行すると、かなり恐ろしいことになる。IBSによって下痢の症状が現れた場合、1日の間でトイレに行きたくなる回数は平均5.1回。なんと、1日に5回以上!(2006年実施 鳥居内科クリニック鳥居院長の調査による)
こうなったら、どう困るか? IBS患者へのアンケートでは「学校や行事に行けないことがある」(93%)、「電車やバスに乗れない。途中下車してしまう」(91%)、「約束に遅れたり、約束を断ることがある」(88%)といった、悲しき事例が挙げられた。(2006年実施 鳥居内科クリニック鳥居院長の調査による)

そんな、このOPP。日本だけではなく、世界で猛威を振るっている。
海外では、IBS患者のQOL(生活の質)は末期腎臓病患者や糖尿病患者よりも低いという報告がなされ、中でも米国における調査がスゴい。アメリカのIBS患者に関して言えば「通常の人に比べ、年間約55日も休職または失職を余儀なくされている」なんて報告が寄せられているのだ。
「学校や行事に行けないことがある」、「電車やバスに乗れない。途中下車してしまう」といった憂き目、そして生活における不都合は、何も日本人患者に限ったことではなかった。

だが、多くの人の下痢に対する認識として「自分はIBSだ」という自覚はないようで……。IBS該当者974名に対するアンケートを見てみると、下痢の原因として「精神的なもの」、「疲れ」、「胃腸が弱い」、「体質」、「食べ過ぎ」と認識をしている人が多く、自分がIBSと認識していた人は15%のみ。
(2006年実施 鳥居内科クリニック鳥居院長の調査による)

これはマズい。OPPを「そのうち治る」と軽く考えていては、マズい。では、どうしたらいいのか?
鳥居院長からは「早く下痢症状を断ち切るためには、専門の病院へ行ってきちんと診断してもらうことが大切」という、お答えが。

というわけで、悪いことは言わないからOPPになったら専門の病院へ行くべき!
(寺西ジャジューカ)