「彼氏もいないし、出会いもない。キャリアも貯金も全然ない。
この先、私、大丈夫かな?」白い帯にシンプルに書かれた黒い文字。

“この先、私、大丈夫かな?”が“この先、あなた、大丈夫?”と自分に対して質問を投げられているかのように錯覚したのがこの本との出会い。その帯が巻かれている本が『わたし、すっぴんジャージで「億」を稼いでます。』である。(帯の内容は2015年5月の情報です)

すっぴんにジャージで“億”を稼ぐ女の人生とは?
『わたし、すっぴんジャージで「億」を稼いでます。』Sarah(著)/幻冬舎


仕事があり恋人がいて周りから幸せそうにみえても、お金や恋愛、将来のこと、たくさん不安を抱えている女性は多いはず。そんな女性へFX(外国為替証拠金取引)のことや、お金を活かすことで見える人生論について私小説を通して教えてくれたのが本書の著者、Sarah(サラ)さん。


収入ゼロのおひとりさま女子が素人知識でFXトレードデビューし奮闘するストーリーで、筆者も手に汗握りながらも、1日で読みきってしまった。Sarahさんは外国為替取引で生計を立てるFXトレーダーであり、2005年アパレル貿易会社退社後、人生を模索中にFXに出会った。現在、FXや暗号通貨(リップル)のトレーダー、九星気学のコラムニストとしてメディアで活躍されている。

SarahさんにFXを始められてから仕事やお金を稼ぐことについて考えが変わったか聞いてみた。
「今は、お金を稼ぐことよりも、稼いだお金をどう使うかということのほうが大事だなと感じています。FXや投資で稼いではいるんですけど、人から感謝されるわけではないし、「ありがとう」と言われることがない。
数字だけの世界なんですね。だから、今でも葛藤はあるんです。『自分をどう納得させようか?』って」

本書では、トレーダーとして仕事とどう向き合うか悩んでいるとき、恋人が「アンパンマンのマーチ」を歌ってくれるシーンがある。そこで、主人公はお金を稼ぐことより、そのお金をどう使うかを考えることが大切だと気づくのである。

将来のことを不安がっている割に何も考えずに稼いだお金を飲み代に使っていた自分を反省しつつ、稼いだお金は酒ではなく有意義なものに使いたい……と、SarahさんがやられているFXにとても興味を抱いた。ライターを含め、『わたし、すっぴんジャージで「億」を稼いでます。
』の読者の中にはFXをやってみたいと思う方も多いかと思うが、まずは何をすればいいのだろうか。

「セミナーや本からスタートしてもいいと思います。今はFXに関する情報量も多くて無料提供されている情報もたくさんあります。最初は他の人がTwitterやブログ等で配信する情報を真似してトレードしたっていいと思います。ただ、それだけでは勝てるようにはなりません。補足すると、『真似をするにも、ちゃんとした理由付けをする』ことが重要なんです。
例えば、『この人が買うからやろう』というのではなく、『なんでここで買おうと思ったんだろう』という理由付けを自分の中でできるようにならないとだめなんです。これには相応の時間と努力が必要です。あと、最初のうちはExcelでスコア表(トレードの記録)をつけていくといいと思います。面倒臭いかもしれないですけど、負けるのが嫌なら負ける前から始めることです。つけてるうちに、収支のバランスが頭に入ってきますよ」

Sarahさんに初心者はまず何からはじめればいいのか、アドバイスをくれた。
簡単に稼げるとは思っていなかったが、自分はなんのためにFXをするのか目的を持った上で始めないといけないと実感した。
Sarahさんには、さらにお金に関する考え方や恋愛のこと、本書の登場人物のことやFXを始める上での注意点についても詳しくお話ししてくれた。
※詳しくはSarahさんインタビュー

本書を読んで、またSarahさんの人生論を伺って、今までの自分のお金の使い道について反省し、これからのお金をどう使うか考えるキッカケになり、不安な気持ちを払拭するには、自ら動かないと何も変わらないということを学んだ。
「彼氏もいないし、出会いもない。キャリアも貯金も全然ない。この先、私、大丈夫かな?」
そんな不安をぼやいている読者のみなさん。不安を払拭できるのは、恋人でも家族でも周りの環境でもなく「自分が動くこと」である。
(boox/茶谷)