子どもに大人気のクネクネ動く乗り物の正体  「ブレイブボード」で大人も痩せる!?

一見するとスケートボードのような形状で、やたらと両足をクネクネさせながら前に進む乗り物。そういったものに子どもが乗っている姿を目にしたことはないだろうか?

以前からチラホラと見かけては、「あの乗り物は何なんだ?」と気になっていたが、ここ最近あれに乗っている子どもが一気に増えた気がする。
調べてみると「ブレイブボード」というのがその正体らしい。もともとアメリカでブームになっていたものが2008年になって日本で発売され、国内でも累計50万台を超えるヒット商品になったという。前後の2枚のボードがパイプでつながったような形状で車輪は2つ。足を前後させてボードをしならせることで前進するため、クネクネした動きが重要なのだ。

ブレイブボードの国内販売代理店である「ビタミンiファクトリー」の代表・渡辺未来雄氏は、家族旅行で行ったハワイでこの乗り物に出会い、その楽しさを広く伝えるべく輸入販売を始めたという。その渡辺氏にブレイブボードについて気になっていることを色々質問してみた。


――ここ最近「ブレイブボード」に乗っている子どもの姿がすごく増えたような気がします。何か人気に火が付くきっかけがあったのでしょうか?

「2008年以来、おかげ様で安定した売れ行きになっていますが、ブレイブボードを愛用してくれているプロスノーボーダーの角野友基君が2014年のソチ五輪で活躍してくれたので、それをきっかけに人気を出たところはあります。また、ブレイブボードは、誰かが乗っているのを見ると、『あれは何だろう!?乗ってみたい』という風に広がっていく魅力があるので、そのおかげかもしれません」

確かに、あの特徴的なクネクネした動きを見るとマネしてみたくなる。でもちょっとあの動きに到達するのは難しそうでもある。

――乗れるようになるまではどれぐらいかかるものですか?

「3つのステップを順番どおりに練習してもらえればだいたい30分で乗れるようになりますよ。初めて乗る方は、難しく考えて力が入り過ぎてしまいがちなのですが、力を抜いてボードの上に立つところから始めてもらえれば、最終的には自転車にスイスイ乗れるように自然に動けるようになります。
ブレイブボードを取材してくださるメディアの方にはあまり運動をしたことがないザ・文系の方が多いのです(笑)が、3ステップをきちんとこなした上で乗れなかった方はいないです! ただ、8歳から12歳のゴールデンエイジと呼ばれる年齢層の子どもたちの方が上達は早いですね」

――子ども用のものかと勝手に思っていたのですが、大人の方も乗れるんですね。

「もちろんです。お子さんのために買って、一緒にやってみたところ意外と面白くてハマってしまうという方が多いんです。ブレイブボードの魅力は、親子や夫婦など、手と手を取ってお互いに練習しながらコミュニケーションを取ることができるところです。お子様の方が大抵早く乗れるようになるので、自信にもつながります。乗れないお父さんに対して、『もう、しょうがないなー』という感じでお子さんがコーチする側にまわったり(笑)」

――考えて見れば、あのクネクネした動きはウエストの引き締めにも効果がありそうですね。


「その通りです。大人の方には、くびれ作りやメタボ対策にもおすすめです。オフィスワークで猫背になりがちな方って結構多いと思うんですが、体は背骨でつながっているので、腰が固いと全身に悪影響が出るんですよ。ブレイブボードに乗って楽しく体をほぐしてあげるのは効果的だと思います。また、雑誌『Tarzan』では体幹トレーニングの方法としてブレイブボードが取り上げられました。体幹を鍛えることはあらゆるスポーツの基本になるので、スポーツをされる方にもぜひ遊んでみて欲しいです。
ランニングの前後などにもおすすめです」

ブレイブボードにはサイズや形状の異なる複数のモデルが存在するのだが、つい先日、10月10日に新モデルの「リップスティック ネオ」が発売された。

「『リップスティック ネオ』はお子様向けの『リップスター』と大人向けの『リップスティック』の中間のサイズですので、親子で楽しむのに最適です。足を乗せる位置である『スイートスポット』を広げ、バランスのとりやすさにこだわりました。開発する上でスポーツカーの設計者からの意見も取り入れています。軽量で動かしやすく、初心者・上級者、どちらも楽しめるモデルになっています」
子どもに大人気のクネクネ動く乗り物の正体  「ブレイブボード」で大人も痩せる!?

まったくの運動音痴な筆者もその「リップスティック ネオ」を手に入れ、ここ数日乗ってみているのだが、本当に少しの練習で乗れるようになったので驚いた。最初のうちは、ブレイブボードをスイスイ乗りこなす公園の子どもたちに笑われたりしたが、実質1時間ほどの練習で、足を前後させるツイストまでできるようになってきた。
体全体を柔らかく使って加速する瞬間の気持ち良さがクセになる! 筆者が大丈夫なのだからまず間違いなく誰でも乗れるはず!

「一輪車のように、ブレイブボードを全国の小学校に置いてもらうのが目標」と語る渡辺さん。この乗りやすさと楽しさでバランス感覚が鍛えられるというのだから、その夢はきっとそう遠くないはず! と確信した筆者であった。
(スズキナオ)