オジロワシが240年ぶりに姿を見せる image credit:Wikipedia
英国のスコットランドでは、1916年までその姿が確認されていたというオジロワシ。イングランドでは、1780年に違法狩猟によって空から姿が消えていた。
しかし去年、環境、食糧および地方自治体によって後援される公共団体『Natural England』が、オジロワシを再導入するプロジェクトを許可し、イギリス林業局と野生生物財団がその数羽をイングランド南部の小さな島に放ったことから、実に240年ぶりに空を舞うオジロワシの姿が目撃されることになった。『Mirror』などが伝えている。
【イギリス最大の猛禽オジロワシが240年ぶりに目撃】
イギリスでフィッシュ・イーグルという別名を持つオジロワシは、翼幅が最大2.5メートルにもなり、イギリスでは最大の猛禽類として知られる存在だ。
しかし違法狩猟が原因で、20世紀初頭にはイギリス全土からその姿が消えてしまった。
2019年、オジロワシを再導入するプロジェクトが実施されることになると、イギリス林業局とロイ・デニス野生生物財団は、イングランド南部にあるワイト島に複数のオジロワシを放った。
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その後、注意深く観察が行われていたが、最近になって別の土地で空高く舞う姿や、高地への急上昇前に展望台に何時間も座っている姿が目撃されるようになった。
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イングランドとしては、オジロワシが姿を消した1780年以降、実に240年ぶりということだ。
【GPSで4羽の幼鳥をモニタリング中】
オジロワシは、尾根が白く黄色の鉤型のくちばし、金色の目に黄色い足と爪が特徴的だ。
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冬の間、オジロワシは一定の場所に定住する習性があるが、気候が暖かくなるにつれて巣から飛び出し、各地を飛ぶようになる。
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個体数は少ないが増加しつつあるというオランダのオジロワシの情報によると、人口密集地域でも容易に巣作りをすることが明らかになっているという。
また、ロイ・デニス財団によれば、繁殖のために自然に戻る前の最初の2年間は、オジロワシは広い地域を探検することで知られているそうだ。
現在、4羽の幼鳥にGPSを取り付けて観察を続けているが、4羽はワイト島だけでなくサマセット州、ケント州、ノーフォーク州などのあちこちの上空を飛んでいる姿が目撃されており、そのうち2羽はイングランド北部のヨークシャー州へも巣作りのために飛んだことが確認されている。
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【農家ではオジロワシの存在に不安の声も】
キャンペーン活動家らは、貴重なオジロワシの目撃情報や写真を集めSNSでシェアしている。
So sorry not to be able to run @MullEagleWatch @CraignureGC⛳️this year #COVIDー19 but keep in touch with what we hope will be happening at Scalla & Anna's nest
— Mull Eagle Watch (@MullEagleWatch) April 1, 2020
via this fabulous live nest camera courtesy of @LDF_lv Warning: it’s compulsive viewing!https://t.co/dbtem5lhWX pic.twitter.com/83HTQl8sTQ
イギリスでは、久しく見られなかった最大の猛禽類が再び見られるようになったことについて喜びの声があがる一方で、農家からはオジロワシが子羊を攻撃するのではという心配の声も寄せられているという。
事実、かつてノーフォーク州ではオジロワシの再導入計画が拒否されたこともある。家畜への潜在的な危険性が挙げられたからだ。
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なお、多種多様な環境で繁栄することが可能とされているオジロワシは、死んだ動物を餌とすることもあるが、春と夏には魚を好んで捕食し、秋と冬には水鳥や野ウサギなどを捕えて食べるということだ。
written by Scarlet / edited by parumo
記事全文はこちら:英国最大の猛禽類「オジロワシ」が240年ぶりに戻ってきた!空を舞う姿が目撃される http://karapaia.com/archives/52290530.html