コロナ感染で入院し隔離された母親が亡くなる日まで、病院の壁を上り窓の外から見守り続けた息子(パレスチナ)

入院する母親を気遣う息子の愛情 image credit:Mohd Shamil/Facebook
 地中海東岸に位置するパレスチナのヘブロンに住むある男性は、今月16日に最愛の母親をコロナウイルスで喪った。母親はすでに白血病を患っていた。

 感染予防のため、入院後隔離された母親の傍にいることができなかった男性は、毎日病室の壁を上り、窓の外から母親の様子を見守ってきた。

 メディアを通して男性の姿が拡散すると、心を痛めたSNSユーザーらから多くの追悼メッセージが寄せられた。『hbit』、『astroawani』などが伝えている。
【コロナに感染した母が入院する病室を外から見舞う息子】

 パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区南端にあるヘブロンに住むジハード・アル・スワイティさん(30歳)の高齢の母親ラスマ・サラマさんは、新型コロナウイルスに感染し、入院を余儀なくされた。

 感染予防のため、病室に隔離された母親を見舞うことができない状態のジハードさんは、なんとかして母親の容態を近くで見守りたいという気持ちが抑えられず、病室の壁をパイプを伝ってよじ登り、窓の外から毎日、病室のベッドにいる母親を見舞った。

 病院関係者の話によると、ジハードさんはラスマさんが眠りにつくまで、1日中ずっと窓の外で見守っていたという。

【ラスマさん他界】

 最愛の母親の回復を、ジハードさんは窓の外からどれほど願っていたことだろう。しかし、母親がこの世を去る時間はもうそこまで迫っていた。

 7月16日、ラスマさんは息を引き取った。

 この悲しいニュースは、地元メディアをはじめSNSで拡散。あるユーザーは、旅立った母親が、窓辺にいるジハードさんの頭をやさしく撫でているイラストをシェアし、その悲痛な思いを悼んだ。


 多くのユーザーは、母親への思い溢れるジハードさんの姿に胸を打たれたようで、ジハードさんにたくさんの追悼コメントを寄せた。

 なおパレスチナでは新型コロナウイルスの感染者は10052人、死者65人が報告されている。(7月21日現在)

written by Scarlet / edited by parumo

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