このほどアメリカの配達ドライバーが、配達先の犬と無邪気に戯れる様子が捉えられ話題となっている。13年同地域で配達を行うこのドライバーに、地域の人は「彼は荷物だけではなく、笑顔も届けてくれる」と話し、別の場所に住むドライバーを「地域の一員」として慕っているという。
『Fox News』などが伝えた。

アメリカの大手運送会社「UPS」の配達ドライバーとして働くロン・アレクサンダーさん(Ron Alexander)は、米オレゴン州レーン郡マッケンジー地域を担当している。

同地域はパンデミックに加え、昨年9月に「一生に一度の出来事」と表現されるほどの大規模な山火事に襲われた。発生した煙により、世界の大気汚染ワーストランキングに入ってしまったほどだった。

徐々に日常を取り戻しつつある中、荷物だけでなく人々に笑顔を届けるロンさんの姿を捉えた動画がSNSで話題となった。

動画を撮影した同地域ブルー・リバー在住のトレイシー・シャレットさん(Tracey Chalette)は「ロンさんは13年もこの地域の配達を担当してくれています」と話す。
動画には雪の積もった玄関前の庭に横たわり、トレイシーさんの飼い犬でラブラドゥードルと思われる大きな黒い犬と遊ぶロンさんの姿が映っている。犬は嬉しそうにはしゃいでおり、仕事中で忙しいはずのロンさんは座り込んでじゃれている。

ロンさんは時々、突飛なことをしたくなる性格だそうで、動画が撮影された日は誰にも踏まれていない真っ白な雪が積もった家の庭を配達中に見つけた。そして「スノーエンジェル(雪の上にあおむけに寝転がり、手足を動かすとできる天使の形のこと)を作ろうと思い付いたんだ」と当時を振り返った。その様子を見たトレイシーさんの犬が大喜びでロンさんのもとへ駆けていき、一緒に遊んだという。

この動画がFacebookのアカウント「UPS Dogs」に投稿されると、今月18日の時点で再生回数が9万9千件を超えた。
ユーザー達は「この動画見てると心が温まるわ」「ワンちゃんもすごく楽しそう!」「良い物を見たよ。シェアしてくれてありがとう」「こういう動画を見れるからこのアカウントが好きなんだ」「ロンさんの優しい人柄がよく分かるね」とコメントを寄せた。

様々な困難の中にある同地域で、ロンさんは荷物を配達するという自身の仕事がいかに大切か気付いたという。

「大きな山火事が発生した当時は、皆さん必要な物を手にすることができなかったと思います。そういった時にこそ私達のサービスが必要になるのです。」

そう話すロンさんは「私はただ、この地域の人達と素敵な関係を築くことができているだけなんです。地域の人は私をコミュニティの一員だと言ってくれています。
私はユージーンという別の地域に住んでいますが、ブルー・リバーの人々と生涯に渡って繋がりを持てたらいいですね。妻と引っ越すことも考えていますよ」と明かしている。



画像は『UPS Dogs 2021年1月31日付Facebook「Just a bit of background.」』『KTVZ 2020年9月8日付「Holiday Farm Fire on Hwy. 126, McKenzie River grows to 37,000 acres, destroys homes」(Oregon Office of the State Fire Marshal)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)