同じ果汁100%でもこんなに違う! 濃縮還元とストレート
(上)まさに「自然のおいしさ」なひらか産のりんごジュース(下)「濃縮還元」と「ストレート」見分けがつきますか?
先日、秋田空港で写真の「りんごジュース」(大成食品)を見つけた。素朴なパッケージに惹かれて買ってみると、一口飲んでビックリ。
「えっ?これもりんごジュースなの?!」と普通に驚いてしまうほど、いつも飲んでいるりんごジュースと違う味だったのだ。

味の違いは製法の違い。私がいつも飲んでいるりんごジュースは「濃縮還元」で、今回初めて飲んだのが「ストレート」。しかし、同じりんご果汁100%なのにこうも違いが出るものなのか。

「濃縮還元」とは、搾った果汁から水分を飛ばして4〜6倍程度まで濃縮して冷凍保存しておき、使うときに水を加えて元の濃度に戻すという製法だ。保管費や運搬費が安く済むという利点もある。
製造中に飛んだ香りを補うため「香料」などが加えられているものも多い。
たいして「ストレート」はその名の通り、果汁を絞ってそのまま容器に詰めたもの。旬の時期に収穫したものをすぐに搾ってジュースにしている。りんごの質にもこだわっており、産地や数量が限定されていたり、複数のりんごをブレンドして独自の旨みを出していたりする製品も多い。一般的に濃縮還元よりも素材そのもののおいしさが味わえるとされている。

「それにしても……」と思い、改めてストレートと濃縮還元りんごジュースを飲み比べてみた。
それぞれコップに入れてみると、まずその色の違いが明白。とりあえずストレートのりんごジュースを飲んでみる。とにかく濃い。こしてあるのでザラつきはないが、口当たりは重く「りんごを飲んでいる!」という感じなのだ。原材料が「りんご」のみとあって、りんごの甘さが強く感じられておいしい。続いて、スーパーで買ってきた濃縮還元の某りんごジュース。
原材料はりんご、香料、酸化防止剤(ビタミンC)。こちらは私にとっては飲み慣れたりんごジュースで、サラサラとした口当たりでさっぱりしている。ストレートに比べたらりんごの味はだいぶ薄い気がするが。いつも通りおいしい。

やっぱり味はかなり大きく違うことを実感。ちなみに写真は左が「ストレート」、右が「濃縮還元」だ。
100gあたりのカロリーはほぼ同じで、価格はストレートのほうが少しお高め。私の結論としては……、うーん結局どっちも好きだ。喉が渇いていたら「濃縮還元」のさっぱり感が嬉しいだろうし、お腹が空いていたり、りんご〜っていう気分なら「ストレート」と飲み分けたい。

あっ、でもストレートのりんごジュースがそんな手軽に手に入らないか。
(古屋江美子)