昭和初期のジャポニカ学習帳!? 「ヨシダノート」
50年前の自社製ノートを完全復刻! 14冊入りで発売、300セット限定とのこと。<br>昭和の雰囲気を残すため、紙質や色のタッチにもこだわりが!
私が小学生の頃といえば「ジャポニカ学習帳」が定番だったが、昭和21(1946)〜28(1953)年頃の小学生は「ヨシダノート」を愛用していた!?

ネットをふらふらとさまよっていたところ、「こくご」「さんすう」「作文」などレトロな書体もなつかしい“ヨシダノート復刻版”なるものを見つけた。外国製にもひけをとらないすてきなデザインのものばかりで、思わず「わっ、すごーい」と目が釘づけに。

これは、金沢のヨシダ印刷株式会社さんが、創業100周年を記念して50年前の自社製ノートを完全復刻したもの。14冊セットで、お値段は1セット3,500円になっていた。このクオリティで1冊250円と考えると、これってかなりリーズナブルなのでは?

さっそく同社に電話して担当の方にお話を伺ってみたところ、もともと100周年の記念品として社内の関連部署などに配るためにつくったもので、営利目的の商品ではないそう。それだけに、今回の300セットは値段設定もかなりお買得になっているとのことで、そう聞いてしまうとますます欲しくなってしまいますよね〜。
復刻のもとになったオリジナル版は、福井県在住のある昭和グッズコレクターの方が所有していた貴重なもの。奇跡的に未使用状態のものが見つかったことで、今回の復刻版製作が実現したという。

ちなみに、中でも子どもたちの人気を集めたのは「さんすう」「こくご」などの下に“童話ノート”と入っているもの。これは、中身のノートの紙上部に童話が刷り込んであり、めくるごとに1ページずつ物語が展開していく。授業中、童話に熱中して上の空になってしまいそうな気もするのだが、昭和27(1952)年にはこのアイデアで特許も取得していたというからビックリ! 「ノート界の傑作」ともいわれていたそうなのだ。

う〜む、そういえば遠い記憶の中にある「ジャポニカ学習帳」にも、思い起こせばページを開いたところや端っこに、さまざまな豆知識や雑学みたいなものが記載されていて授業中に結構そういうのを読んでいた記憶がある。ひょっとして、ヨシダノートのあれこれがジャポニカ学習帳に受け継がれていた!? なーんてこともあり得るのかもしれないですね。

それにしても印刷会社さんだけあって、当時のノートにできるだけ近い紙質を吟味するなどディテールにはかなりのこだわりが。
オリジナル版にあったしみ、汚れなども今のデジタル技術を使えば簡単に消せるものの、あえてしみなどを残すことで「昭和らしさ」を演出しているんですってよー。
打ち合わせの席などで出したら「それ、なんですか??」と驚かれること請け合いのヨシダノート復刻版。退屈な会議中あるいは講議中にノートの上部を眺めつつ童話の世界をさまよってみる……などの使い道もアリかもしれません。もったいなくて使えない!? という話もありますが、もっていれば話のタネになることは間違いナシ! ですよねー。
(野崎 泉)