
「5月ってこんなに寒かったっけ?」
そういえば、「暖かい」イメージとは裏腹に、ゴールデンウィークにTシャツで出かけ、ブルブルした経験がある。春は、GWの頃は、本当に暖かいのか、検証してみた。
気象庁のデータから検証を開始。平均気温の平年値(1971年〜2000年のデータより)、今回は東京のデータを参考にする。
右表のとおり、平均気温は4月が14.4℃で、5月は18.7℃。そう、意外と寒いのだ。一般的な服装の目安としては、15℃になるとコートが不要になり、20℃では長袖シャツ一枚で丁度よく、半袖の目安は25℃。5月というと、もう半袖で歩けそうなイメージだが、実はまだまだ上着が必要なことがよくわかる。
では、「暖かい」というイメージのある春に対し、「涼しい」イメージの秋はどうだろう。前にも「春と秋はどちらが寒いのか」という記事があったが、もう少し詳しくデータから検証すべく、春と秋で気温の同じ日を調べてみた。
しかし正解は10月22〜23日。もうすっかり秋も深まり、紅葉のレジャーが話題になる頃だ。服装でいうとジャケットやブルゾンが必要、ブーツも登場する。そう、ちっとも暖かくないのだ。半袖なんてとんでもない。
実際、「春」と定義される3〜5月の平均気温は(8.9+14.4+18.7)÷3=14.0℃。一方の「秋」9〜11月は18.2℃。なんと4℃以上もの差があり、圧倒的に秋のほうが「暖かい」のだ。もう少し詳細に湿度や風速を元に算出した「体感気温」でも計算してみたが、ほぼ同じ結果となった。
言葉のイメージでは「涼しい」よりも「暖かい」のほうが気温が高い印象を受けるが、実は真逆であることがわかるだろう。
考えてみると、「暖かい」という言葉のイメージは、実は相対的なものなんだと思う。「寒い」冬と比べて「暖かい」のが春、「暑い」夏と比べて「涼しい」のが秋、というわけ。人間の感覚はそんなふうに物事をとらえやすいんでしょうね。
実際は寒い春。気を緩めて風邪など引かないように。
(さくら)