黄色の“旬そうめん”で、夏バテよ、さようなら
卵と比較すると分かるこの大きさ。難攻不落か、と言いたくなるような皮の固さにまずは一苦労。しかし茹でてしまえば柔らかな糸状に。下の写真のように、そうめん&かぼちゃのコラボレーションを楽しむのもいい。
長い梅雨も徐々に開け、夏真っ盛り。
そこであっさりとしたものを食べようと、そうめんを手にとって驚いた。
100グラム、320キロカロリー。
低カロリーと思いこんでいたが、そうめんは意外に高カロリーだ。

確かにそうめんは夏バテにきく栄養食。しかし今は、バテていないので、できればカロリーは低い方が有り難い。そうめんに似てカロリーの低いものはないか。探してみたら、あった。

その名も「そうめんかぼちゃ」。これで夏を乗り切ることにした。

「そうめんかぼちゃ」、という可愛い名前のこの野菜。もちろんそうめんではなくかぼちゃの仲間だ。ペポかぼちゃという種類で、お仲間にはズッキーニも含まれる。
なんでも19世紀末に中国から渡ってきたもので、大きさは20センチのラグビーボール級。
別名「金糸うり」というだけあり、瓜に似たずんぐりむっくりっぷりである。

調理の仕方は、まず輪切りにしておよそ10分茹でる。茹ですぎると食感が悪くなるため、様子を見ながらどうぞ。
その後は冷たい水にさらして身をかきだせば身が糸状になってほろほろと崩れだす。この状態がそうめんに似ているから、そうめんかぼちゃ。といっても冷や麦並の太さなのでスリムなそうめんに例えるには少し申し訳ないが、「ひやむぎかぼちゃ」ではいまいち締まりが悪い。


何はともあれ、そのまま食べてみればかすかに甘味を感じる程度。これだ! という特徴的な味はない。
そのため名前の通りそうめんのようにつゆで……といくなら濃い味付けにしておくほうが無難だ。さらにつゆよりも三杯酢。三杯酢よりも醤油などの濃い味付けがあう。
煮込むとクタクタになってしまうので煮物には向かないが、しっかり水を切って揚げ物やサラダ、漬け物にすれば彩りも綺麗。
主張する味が無い分、使い道の広い野菜なのだ。

農協の方に話を伺ったところ、「そうめんかぼちゃ」は各地で作られているが、中でも岡山の瀬戸内市での栽培が盛んだという。が、それでも栽培量は少なくあまり市場には出回らないのだとか。

ジワジワ人気が広がっているカボチャだけに全国のスーパーに並ぶことを期待してしまうが、「一昼一夜にできるものでもないので、のんびりと栽培してるみたいです」と、どこまでもマイペースなかぼちゃだった。

そうめんかぼちゃの旬はまさに今。保存性が高くうまく保存すれば秋口まで持つので、そうめんに飽きてしまった人は一つ買っておくと役立ちそう。

それに旬の物を食べると元気になるという、昔ながらの知恵もある。そうめんにかぼちゃという夏の代表格を背負った、こんな野菜を味わえば、夏バテも吹き飛んでしまいそうだ。
(のなかなおみ)