ATMの数字ボタンの並びがかわってきている?
この電卓と同じ並びのものや、横1列など、ATMのボタンの並びもいろいろです。
先日、銀行のATMで、入金や引き出しを何度か繰り返したところ、暗証番号がエラーになってしまった。
よく見ると、暗証番号の数字の並びが、さっきと違うではないか。


セキュリティの問題などから、今は暗証番号のボタンの並びを、どこでも入れ替えているのだろうか? 
だが、調べてみると、計算機と同じ並びで固定のところや、数字が横一列に並んでいるところなど、まちまちのようだった。

そんななか、目に付いたのは、三菱東京UFJ銀行の「シャッフルボタン」だ。
「この『シャッフルボタン』(スクランブル化)は、合併前からそれぞれ設けているもので、東京三菱銀行では平成17年5月から、UFJ銀行では18年6月から導入しています」と、広報担当者は言う。
導入された理由は、やはり「暗証番号が他人にわからないよう、手の動きから判別されないようにするため」とのこと。

一方、シャッフルボタンを自分で押すのではなく、ボタンそのものが勝手に入れ替わるようにしているのは、三井住友銀行だった。
「これは、暗証番号の『ランダム表示』といって、導入のきっかけは、やはり同じ列にしていると、暗証番号が読み解かれてしまう可能性があるためです」(広報担当者)
これは17年12月から導入されたもので、毎回、数字がランダムに表示されているとのこと。
ただし、パターン数などは、
「犯罪につながりかねないので、公表していません」ということだった。

この「ランダム表示」、勝手に順番を入れ替えてくれるだけに、自分のような慌て者は、気づかず「手が覚えてる動き」で押し、エラーになることもありそう(というか、惰性でボタンを押していることに一番問題があるけれど)。
だが、ランダム表示を選んだ理由については、こんな説明があった。
「もともとシャッフル機能をつけるということは、考えなかったですね。というのも、自分でシャッフルボタンを押すとなると、する人・しない人が、どうしてもいるはずで、全員はやらないですよね? だったら、最初からランダムに表示されるほうが、全員の『犯罪防止』につながるのではないかと」

ちなみに、番号を間違ってしまう人には、電卓表示にかえるボタンもあるのだという。
「シャッフルボタン」も「ランダム表示」も、犯罪のすべてが数字ではかれるものではないことから、具体的な数字で「効果」を見ることはできないそうだが、潜在的な犯罪防止という意味はありそう。


皆さんも一度、自分が使っている銀行のATMのボタン、チェックしてみてください。
(田幸和歌子)