親知らず、抜きごろっていつ?
抜くにせよ、抜かないにせよ、うまく付き合っていきたいものですね。
最近、28歳にして初めて、親知らずが痛んだ。

虫歯ってわけじゃなく、ほっぺたの内側が擦れているような痛み。
鏡で口の中を見てみると、上側の親知らずが2本とも前に向かって生えていて、擦れた部分が少し赤くなっていた。ついに厄介者が暴れ始めたようだ。

これ、早く抜いちゃうべきなんだろうか? 抜きごろっていつなんだろうか?
初めて痛んだ不安から、さっそく歯医者に相談した。

「虫歯になっていなければ、しばらく様子を見ても大丈夫です。頻繁に痛むかどうか、痛みが気になるかどうかなど、気持ちの部分での判断が抜きごろの基準ではないでしょうか」
それを聞いて、ちょっと安心。放っておけば静かになる、厄介者の典型なんだろう。
抜きごろにはしっかりとした基準がなく、また歯医者によって抜くべきかの判断もまちまちだという。

ただ、僕のみたいに生え方の悪いやんちゃ者は、口内の治安をどんどん悪くする可能性があるから、早めに抜いた方がいいとされる。
「生え方が悪い場合、親知らずが虫歯になりやすいだけでなく、隣の歯を虫歯にする可能性もあります。また歯の数が増える分、口の中が窮屈になるわけですから、他の歯を押してしまって歯並びを悪くすることもあります。そういった心配を排除したいのであれば、抜いた方がいいと思います」
自分だけでなく、周りにも迷惑をかける親知らず。目に余る口内暴力は、やんちゃじゃ済まされないレベルだ。


ただしこの親知らず、哀しい側面もある。
親知らずについての研究は、途上段階にあるというのが現状。つまり誰も、本当に親知らずのことを分かってあげられていない。
例えば、アゴ(歯茎)の中で親知らずが横になってしまって、生えてこないことがある。そんなとき、昔は“放っておくと隣の歯を圧迫する”とされていたけど、最近ではそうとも限らないと言われている。また親知らずに限らず“噛み合わせが悪いと肩がこる”ってよく言われるけど、これも立証されてはいない。


親知らずの気持ちが分かってもやんちゃはなくならないけど、これから研究が進めば、抜く基準について何か分かってくるかもしれない。

最後に、抜歯がイヤで踏ん切りがつかない人のために、抜きごろについてこんな基準を教えてくれた。
「1年や2年に1度の痛みであれば、残しておいても問題ないです。それがもし2〜3カ月に1度痛むようなら、問題が起こりやすい親知らずなので、抜いた方がいいかもしれません」

抜きたいけど抜きたくない、そんな人は参考にしてみてはいかがでしょう。
(イチカワ)