上野のレッサーパンダが少し特別待遇なわけ
パンダ舎の空き部屋に、入居しました。
レッサーパンダというと、風太くん人気もあったし、絶滅の危機に瀕している動物でもあるので、「特別待遇」されているからといったって、別におかしいことではない。

とはいえ、上野動物園のレッサーパンダは、なぜかパンダ舎の横というか一部というか、はさまれたような不思議な位置にいる。

これってなぜなのか。以前はココにいなかったですよね? 同じ「パンダ」なのと、人気上昇で、出世した? パンダとの相性が良いから移動させたとか? 上野動物園に聞いてみた。

「これはもともとパンダが2頭いたのに、2000年7月にトントンが亡くなって、たまたま空き部屋ができたからです」(教育普及係)
部屋がガラガラになったというのが理由だったが、ではなぜレッサーパンダを? 
「トントンが亡くなってから、一時的にその空き部屋に、ウサギやタテガミオオカミがいたこともあります。でも、“パンダつながり”で、2001年1月頃からは、レッサーパンダを飼い始めたんですよ」

ところで、動物園の動物の並び順は、たいてい同じ種か地理的にまとめるのが多いが、やっぱり種が遠いものが並ぶと、お互い居心地が悪いもの? たとえば、ライオンの横にシマウマを置いたら、ライオンは常におなかが空いてしまいそうだし、シマウマは常に怯えることになりそうだけど。
「いえ、それは必ずしも悪いわけではなくて、むしろ自然に近いかたちとして、刺激があったほうが良いという考え方もあるんですよ」
これも「行動展示」の一環だそうで、一例として、上野動物園では、一昨年からヒグマとキツネを一緒に入れているそうだ。
「特にお見合いさせたわけではないですが、相性はやっぱり大切です。うっかりするとどっちかが死んでしまう可能性もあるので、慎重に検討し、飼育しています」

今後、レッサーパンダだけじゃなく、動物たちの「並び順」「まとまり方」に注目してみるのも、面白いかもしれません。
(田幸和歌子)
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