駅に置いてある「おが屑」の使い道って?
あなたの使う東京メトロの駅にも「おが屑箱」が置いてあるかも<br>(写真提供:東京メトロ)
毎日見慣れているはずの場所でも、思いがけない発見をすることがある。先日、表参道の駅で妙なものを発見した。
壁際にひっそりと置かれたステンレス製の箱で、よく見ると「おが屑箱」と書いてある。

その大きさや形は、一見するとまるでゴミ箱のよう。そう感じる人は私だけではないようで、箱には丁寧に「ごみ箱ではありません、ごみは捨てられません」「ゴミ箱はエスカレーターの後ろにあります」と張り紙がしてあり、カギまでかけられていた。

いったいこれは何なのか? まあ「おが屑箱」と書いてあるくらいだから、おが屑が入っているんだろうけど……。東京メトロの広報の方に聞いてみると、
「おが屑箱にはおが屑が入っています」
と、予想通りの回答。

しかし、駅でおが屑を使う機会なんてあるのだろうか?
「はい。
一番使うのはお客様が戻されたとき。おが屑をまいて一緒に片付けます」
なんでもおが屑は水分の吸収が抜群に良く、そういった処理には最適らしい。
「また漏水時などに、階段の端におが屑を山盛りにして置いておくこともあります」
これはおが屑に水を吸い取らせることで、通路に水が流れ出るのを防ぐため。ほかにも稀にではあるが、掃除に使うこともあるという。濡らしたおが屑は、フワフワ舞う綿ぼこりをキレイにまとめてくれるのだとか。

置いておくと何かと便利らしいおが屑。
でもなかには「おが屑箱」を置いていない駅もある。そういう駅はどうしているのだろう?
「基本的にすべての駅で、おが屑は常備しているんですよ。“おが屑箱”がない駅でも、事務所などに置いてあります」
あえて「おが屑箱」を置く理由としては、運用しやすいというのが大きな理由。とくに使用頻度の高いターミナル駅などでは、必要なときにすばやく準備できるよう、「おが屑箱」を設置していることが多いのだそう。

思いがけない場所で役立っている「おが屑」。とはいえ、その出番ができるだけ少なくなるよう、私たち乗客も協力したいものです。

(古屋江美子)

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