<~全英への道~ミズノオープン 2日目◇27日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7461ヤード・パー72>
最大風速9.7m/sと強風でスコアを落とす選手が続出している大会2日目。石川遼は、3バーディ・3ボギーの「72」とイーブンパーでまとめて、トータル6アンダーで上位を維持した。

石川遼が信頼を寄せるウェッジ5本【写真】
前半を1アンダーで折り返した石川は、後半に入って10番でいきなりバーディを奪取。一時は単独トップに立った。だが、難易度の高い14番パー3、16番パー3でパーオンできずにボギー。そして初日にイーグルを奪った18番パー5では、ティショットを池に入れてボギーフィニッシュだった。「難しいから仕方がない、っていう感じですかね」。終盤5ホールで失速したものの、好位置で決勝ラウンドに進めることに安心した様子だった。

きょう獲ったバーディは3つ。うち2つは“アプローチ”によるものだった。6番パー5、2打目をグリーン近くまで運び、グリーンエッジから32ヤード奥に切られたカップを狙った。56度のウェッジで放ったピッチエンドランを50センチに寄せて、これがこの日初めてのバーディだった。
14番をボギーとして迎えた、15番パー4。パーオンを逃して、右手前のラフにボールが残った。
右4ヤードに切られたカップまで約10ヤードというアプローチは、またもピッチエンドランでラインに乗せると、そのままカップイン。バウンスバックを決めた。
9番パー4ではピンチもあった。バンカーのヘリから打った2打目はグリーンに乗らず、グリーン左のラフへ。ピン位置は左から6ヤードというショートサイドで、左足下がり、落ち場所は下り傾斜という「難しい」状況のなかで、石川が5本持つウェッジのなかで一番ロフトがある59度を選択した。「割り切って打った」とふわっと上がった球は数十センチにピタリ。
パーセーブを決めた。
実はこの寄せを支えていたのは“アゲンスト”と石川は明かす。グリーンを外す場合は、ショートサイドだとしてもアゲンストで打てる場所、ということを心掛けていたという。そうすることでボールの落下角度が垂直になりがちになるので、難しいライや速いグリーンでも、ボールが止まりやすくなる。パーセーブした9番、そしてチップインの15番はショートサイドからという寄せにくい状況。あえてこの場所を狙ったわけではないかもしれないが、結果的にアゲンストの風が石川を“後押し”して、ピッタリと距離を合わせるシーンが目立った。

6番のピッチエンドランは、風がフォローだった。だが、転がす距離は十分あったため、距離感を得るということには問題なかったのかもしれない。この状況を生み出したのも、マネジメントがあってこそ。『風が強くて…』と話す選手が多いなか、石川はそれを味方につけた。(文・笠井あかり)


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