<リシャール・ミル ヨネックスレディス 事前情報◇2日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6475ヤード・パー72>
「全米女子オープン」出場や体調不良などで賞金シード選手が18人欠場した今年の「リシャール・ミル ヨネックスレディス」。単純に考えれば、出場する選手にとってはそれだけ上位に食い込むチャンスが広がったわけだ。
口には出さないものの、どの選手も虎視眈々とトップの座を狙っている。先週の「リゾートトラストレディス」で自己最高位の2位タイに食い込んだ菅沼菜々もその一人だ。
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「みんな上手いので、誰が出ていないとかは関係ないと思います」と、出場選手の顔ぶれは気にせず、平常心で大会に臨むつもりだが、上位に入っておきたい事情もある。
というのも、菅沼には“広場恐怖症”という持病があり、飛行機や新幹線、船、バスなどの公的交通機関を利用することができないのだ。自分の意志で乗り降りできる自家用車でなければ、トーナメント開催地にたどり着くことはできない。そのため、7、8月に4試合開催される北海道での試合は自動的に欠場となる。
「その分のポイントをできるだけ早めに稼ぎ、シード権を決めておきたい気持ちはあります」と言う。
今大会の開催コースであるヨネックスCCは比較的アップダウンがきつく、傾斜からボールを打つことが多い。実は菅沼は左足下がりのライは得意だが、左足上がりのライから打つことが苦手だった。「私の場合、フェードヒッターなので、左足下がりは苦にならないんです。でも、左足上がりだとクラブフェースが被りやすく、左へ引っかけることが多い。フェードを打つイメージがなかなか持てませんでした」。
しかし、様々な会場で開催されるツアーに置いて、フラットなコースで開催される大会だけに出場するわけにもいかない。
そこで、菅沼は今年のオフにテレビ番組で知り合った、元読売巨人軍の篠塚和典氏を頼ってみた。同氏は静岡県伊豆市にある山岳コース、フジ天城GCの理事長を務めていたからだ。同ゴルフ場は27ホールあるが、そのうちの9ホールをなんと菅沼のために提供してくれたという。
「今年の1、2月に20日間ぐらい行きました。そこで試行錯誤しながら左足上がりのライからボールを打ち、なんとか克服できたと思います」と菅沼。
もちろん、左足上がりのライだけを練習したわけではない。様々な状況からショットやアプローチの練習を行ったことが、今季のメルセデス・ランキングで7位と好調につながっているという。
今週優勝すると、生涯獲得賞金が1億円を超えるが、「あまり現実味はないですね」と実感はない。同じ埼玉栄高出身の渡邉彩香や今平周吾らが今季は優勝を飾っているだけに、“栄パワー”の波に乗っていきたいところだ。(文・山西英希)


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