M世代の韓国エンタメウオッチャー・K-POPゆりこと、K-POPファンのZ世代編集者が韓国のアイドル事情や気になったニュースについてゆるっと本音で語る【K-POPゆりこの沼る韓国エンタメトーク】。韓国エンタメ初心者からベテランまで、これを読めば韓国エンタメに“沼る”こと間違いなし!
再び6人で戻ってきてくれた。K-POPの常識を塗り替えた「2PM」が“進行形レジェンド”であり続ける理由
K-POPゆりことZ世代編集者がゆるっとトーク

【K-POPの歴史を作ったグループたちの復活と現在地】、今回は日本デビュー15周年を迎え、2026年5月9日・10日に完全体での東京ドームライブを行う「2PM」をピックアップ!

元祖“野獣ドル”としてK-POPシーンに革命を起こした彼らが、今なお“進行形のレジェンド”であり続ける理由とは? 大人の品格ある色気、才能と個性際立つメンバー、アイドルの「新しいキャリアの歩み方」を切り開いた先駆者としての功績について解説します。


■この演技のうまい俳優さん……2PMの人なんですね!?
編集担当・矢野(以下、矢野):今回のテーマは2PMです。今年の正月休みに、ジュノさん主演のドラマ『テプン商事』(Netflix)にハマって見ていたので、いつかお話ししたいと思っていました。

K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):ついに来ました、2PMを語るベストタイミング。なんと10年ぶりの東京ドーム公演が2026年5月9日、10日に開催されます。私もチケットを買って楽しみにしているのですが、改めて2PMというグループの魅力についてお伝えできたらと思います。矢野さん、最初はジュノさんが2PMのメンバーって知らなかったんですよね?

矢野:お恥ずかしながら「この演技のうまい俳優さん、誰なんだろう?」って思いながら『テプン商事』を見ていました。全話見終わって、ジュノさんのことを調べてみて初めて「えっ、アイドル出身なの?」とびっくり。2PMというグループ名は聞いたことがあったのですが、実はちゃんと通っていないのです。子どもの頃、母の影響で東方神起、BIGBANG、少女時代はよく聞いていたのですが……。

【2PMとは】
再び6人で戻ってきてくれた。K-POPの常識を塗り替えた「2PM」が“進行形レジェンド”であり続ける理由
2PM。左からウヨン、Jun. K、ジュノ、チャンソン、ニックン、テギョン ※ 写真:アフロ(2015 SBS Awards Festival時撮影)

・メンバーはJun. K、ニックン、テギョン、ウヨン、ジュノ、チャンソンの6人組
・2008年にJYPエンターテインメント(以下、JYP)から韓国デビュー。J.Y. Parkが育成・プロデュースを手掛けたボーイズグループとして注目を集め、2011年には日本デビューを果たす
・鍛え上げられた肉体美とワイルドなパフォーマンスで「野獣アイドル(略して野獣ドル)」という新ジャンルを確立
・2020年には、5年前の楽曲『My House』のパフォーマンス動画がYouTube上で話題となる「逆走現象」を巻き起こし、再び注目を集めた
・日本デビュー15周年を迎える2026年5月に10年ぶりとなる東京ドーム公演を開催

ゆりこ:確かに、その3グループと同じ「K-POP第2世代」に括られがちですが、実際は少し後輩です。活動が活発だった時期も、やや後ろにずれているので「2.5世代」というイメージでしょうか。
圧倒的な人気を誇っていた東方神起に脱退問題が勃発、BIGBANGもソロ活動に専念し始めた後に“王座に座ったグループ”だったんですよね。2009年にリリースした『Again & Again』『Heartbeat』が大ヒット、その年のMAMA(Mnet Asian Music Awards)で実質の最高賞「Artist of the Year」と「Best Male Group(男性グループ賞)」を獲得したあたりからの勢いがすごかった。2010年の『Without U』『I'll Be Back』、2011年の『Hands Up』あたりは、本当に飛ぶ鳥を落とす勢いで無敵でしたよ。

矢野:EXOのデビューが2012年なので、その前ってことですね。

ゆりこ:鋭いですね。異論もあると思いますが、ボーイズK-POP史上のキングたちを時系列で並べると、東方神起→BIGBANG→2PM→EXO→BTS(イマココ)だと思います。もちろんその前はH.O.T.がいましたし、ここに名前が出ていないグループの中にも、絶大な人気を誇る存在もあります。でも「玉座に座った」と言えるのは、このあたりだと考えます。

■日本で揺らぐ「K-POPブームの火」を絶やさず燃やし続けた2PM
矢野:東方神起、BIGBANG、そしてBTSはきっと日本中の人が知っているはず。今挙がった王者たちの中で、2PMは日本市場全体ではやや影が薄い印象があります(ファンの皆さん、ごめんなさい)。

ゆりこ:日本のメディアが徐々に“韓流コンテンツ回避”をし始めた時期と、2PMが精力的に日本で活動していた時期が重なったことも、影響しているかもしれません。いわば、逆風の中で頑張っていたんです。
それでも2PMがすごいのはアルバム『LEGEND OF 2PM』を始めシングル『Winter Games』『Guilty Love』などオリコン1位を連続獲得し、2013年と2016年に東京ドーム公演を成功させたこと。そして今年、ついに再会を誓った“約束の場所”へ戻ってきてくれたのです。胸がアツくならざるを得ない。
矢野:なるほど、だんだんそのすごさが伝わってきました。日本でのK-POP人気の火を、絶やさないよう守り抜いたグループなのですね。

ゆりこ:今まで何度も「日本のK-POPブームは終わり」なんて言われてきましたが、一番冷え込みかけた時期の“救世主”だったと思います。特に2PMは日本の活動に力を入れてくれているのが、ハッキリ伝わるグループでした。バラエティー番組やNHKのハングル講座に出演し、日本のドラマ主題歌やアニメ主題歌も歌っていたことも覚えています。

矢野:あと、ジュノさんのことを調べていて、気になったワードがあります。「野獣ドル」って一体何でしょうか? かなりインパクトのある言葉でした。つまり、ワイルドなコンセプトのアイドルってことですよね?

■服を破るパフォーマンスも定番だった、元祖“野獣ドル”
ゆりこ:今のジュノさんのスマートな姿からは想像できないかもしれませんが、初期の2PMはステージ上で服を破るパフォーマンスも披露していたんです。後にウヨンさんがバラエティー番組で「数え切れないほど服を破った。
ステージに上がるたびに破りました」と話すほど。ワイルドとセクシーの合わせ技コンセプトが“野獣ドル”です。

矢野:服を……破る!? それはまた、ずいぶんとワイルドですね(笑)。2PMが最初に始めたパフォーマンスなのでしょうか?

ゆりこ:それが、実は2PMの事務所の先輩にRAINというソロアーティストがいて、彼が最初だったと思います。後輩のGOT7やStray Kidsはコンセプトが違うので、残念ながら“継承”はされなかったようです。

矢野:かつての東方神起も、BIGBANGも、「セクシーさ」を強く押し出しているイメージはありません。BIGBANGのワイルド感も、違うカラーですよね。BAD BOY寄りな感じで。だからこそ“野獣ドル”は新しく映ったのでしょうね。ある意味、発明。

ゆりこ:先行して人気を得ていた2グループとは、全く違うコンセプトだったのが功を奏していました。2PMは“命懸けで守ってくれそうな、頼もしい野獣”、つまり王子様じゃなくて騎士(ナイト)。


■2PMが影響を与えた後輩K-POPグループは?
矢野:野獣ドルコンセプトを受け継いだグループっているのでしょうか?

ゆりこ:事務所は違いますが、MONSTA Xは影響を受けていると思います。“野獣”ではなく“モンスター”ですが。SF9も2PMの要素を感じるグループでした。全体コンセプトではなく、曲単体で見ると後輩のStray Kidsのバンチャンさん、ヒョンジンさんの『Red Lights』やTHE BOYZ『ROAR』も、2PMのDNAを感じます。

矢野:音楽も特徴的ですよね。僕は初めて2PMの曲を聞いた瞬間「これはきっとJYP……」と思ったのですよ。事務所を知らない段階で、ピンときました。僕がGOT7をよく聞いていたので、リズム感やR&Bがベースになっているところなど、共通点を感じ取ったのかもしれません。

ゆりこ:独特のグルーヴ感がありますよね。ダンスパフォーマンスについては東京ドーム公演を見てから解説するとして……今回、もう1つ語りたいことが。それは2PMが「アイドルのキャリア改革に成功した」グループであるということです。

■「個人の夢も、グループ活動も諦めない」アイドルのキャリアを開拓した先駆者
矢野:元の事務所を離れても、グループ活動をするK-POPアイドルが増えていますが、2PMはその成功例ということですか。


ゆりこ:矢野さんが2PMを知るきっかけになった、ジュノさん。彼は本当に大成功例ですよね。今や出演するドラマが続々ヒットしています。そして2PMの中で俳優活動をいち早く始めたのはテギョンさんだったと思いますね。5月14日に配信がスタートするNetflixシリーズ『ソウルメイト』で磯村勇斗さんとダブル主演を務めています。そして最近、日本のバラエティー番組で人気再燃中のチャンソンさん。この3人はすでにJYPを出ているのですが、2PMとしてもステージに立つという“兼業”をしっかりやり遂げています。

矢野:形だけ籍を残す、ということではなく、ちゃんとメンバー全員でステージに戻ってくるというのはさすが。いろいろもめているグループもある中で、当たり前のことではないと思うのです。GOT7がJYPを出るときに、グループ名をそのまま使えるようにJ.Y. Parkさんが計らってくれたと聞きましたが、やはりトップに立つ人の理解があるからなのかもしれません。

ゆりこ:一昔前であれば難しかった「個人の夢もグループの絆も両立できる姿」を提示したパイオニアですよね。そしてチャンソンさんに続き、テギョンさんも4月24日にご結婚されました。
アイドルの恋愛や結婚については、人によってとらえ方に差があると思いますが、アーティストとファンが共に年を重ねながら、それぞれの人生を進めていくって、悪いことではないと思うのです。それにしてもテギョンさん、37歳なのか~! 時がたつのが早過ぎます。

矢野:『テプン商事』の主人公も20代半ばの設定だったのですが、演じているジュノさんが、まさか36歳のお兄さんとは思いませんでした。カッコよさを保っている裏には、相当の努力をしているのでしょうね。東京ドーム公演もきっと盛り上がるんだろうな……。ぜひライブの感想を聞かせてください。

【ゆるっとトークをお届けしたのは……】
K-POPゆりこ:音楽・エンタメライター。雑誌編集者を経た後、渡韓し1年半のソウル生活を送る。帰国後は、K-POPや韓国カルチャーについて書いたりしゃべったりする「韓国エンタメウオッチャー」として、雑誌やWebメディアなどでの執筆活動や、韓国エンタメ情報ラジオ番組『ぴあ presents K-Monday Spotlight』(TOKYO FM)でパーソナリティーを務めるなど幅広く活躍中。

編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやビジネス記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)&MOA(TOMORROW X TOGETHERファン)。

この記事の執筆者: K-POP ゆりこ
音楽・エンタメライター。雑誌編集者を経た後、渡韓し1年半のソウル生活を送る。帰国後は、K-POPや韓国カルチャーについて書いたりしゃべったりする「韓国エンタメウオッチャー」として、雑誌やWebメディアなどでの執筆活動や、韓国エンタメ情報ラジオ番組『ぴあ presents K-Monday Spotlight』(TOKYO FM)でパーソナリティーを務めるなど幅広く活躍中。
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