横綱・大の里(25)=二所ノ関=と大関・安青錦(22)=安治川=が、大相撲夏場所(10日初日、東京・両国国技館)を休場することが8日、決まった。同日の取組編成会議で2日目までの取組に入らなかった。

2021年春場所以来の2横綱3大関だが、看板力士2人がいきなり欠ける事態となった。左肩負傷で調整が遅れていた大の里の休場は2場所連続3度目。カド番の安青錦は6日の稽古で左足首を痛めて初の休場となり、途中出場して勝ち越せなければ、大関から陥落となる。

 苦しい決断だった。大の里は日本相撲協会に「左肩腱板(けんばん)損傷で約1か月間の加療を要する」との診断書を提出し、2場所連続の休場を決めた。国技館での会議後、師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は「夏場所へ出ようと取り組んでいたが、かなり出遅れており、状態が上がらなかった。痛みもあり、バランスが崩れている」と説明。7日に大の里と話して休場を決めたという。

 1日の稽古総見では相撲を取らず、恒例の出稽古も行わなかった。部屋でも幕下以下の力士を圧倒出来ず、調整遅れは明らかだった。昨年11月の九州場所で左肩を痛めた影響が残り、今年1月の初場所は10勝5敗、3月の春場所は初日から3連敗で4日目以降を休場した。「人前に立つことに慣れて夏場所に臨みたい」と春巡業初日(3月29日~)から志願したが、相撲を取るまで至らず4月15日に離脱していた。

 初土俵からの最速記録を数々打ち立てた男にとって大きな試練だ。横綱時代に8場所連続で休場した同親方は「地獄だと思う。横綱が一番分かっているはずだけど、こたえる」と気持ちをくみ、「けがしたときくらいじゃないと体の研究や、ケアについて考える機会はない」と有効活用する考えを明かした。

 手術は受けず、名古屋場所(7月12日初日、IGアリーナ)での復活を目指すという。八角理事長(元横綱・北勝海)も「とにかく治さないとダメ」と強調し、師匠は「耐えないといけないし、逃げられない。自分と向き合う以外はない」と横綱の宿命を口にした。(山田 豊)

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