マイナンバーカードに口座を登録する「公金受取口座登録制度」は、給付金の受け取りが早くなるなど、多くのメリットがある制度です。しかし、口座登録に不安を感じる人も一定数いるはず。
そこで本記事では、公金受取口座登録制度について解説していきます。

■A.国が勝手に引き落とすことは制度上できません
「マイナンバーカードを通して、国が勝手に口座から税金や未払いの公共料金を引き落とすことはあるのか」という疑問についてですが、結論、引き落とされることはありません。

マイナンバーカードに口座を登録しても、国や自治体が本人の同意なしに勝手に預金を引き出したり、未払いの公共料金を徴収したりすることは、制度上できない仕組みになっています。

そもそも、公金受取口座として登録するのは「金融機関名・支店名・口座番号」など振込先の情報のみです。引き出しに必要な通帳の暗証番号やオンラインバンキングのパスワードを国に登録することはありません。

また、電気、ガス、水道などの公共料金や税金の納付は、それぞれ金融機関と口座振替の手続きを行って初めて成立します。マイナンバーの口座登録が、これら個別の支払い契約に自動的にひも付くことはありません。

法律的にも、マイナンバー法に基づき、公金受取口座の情報は給付金の振込などの特定の事務にのみ利用が限定されており、税の徴収や公共料金の支払いには利用できないことが定められています。

■公金受取口座を登録するメリット
少し不安は解けたでしょうか? ここからは公金受取口座を登録するメリットについて改めて解説します。

公金受取口座登録制度は、給付金などの受け取りのため、1人につき1口座、金融機関の預貯金口座を国(デジタル庁)に登録できる制度です。登録しておくと、給付金の受け取りが早くなるというメリットがあります。

これまでは、給付金が配布されるたびに申請書を記入して提出しなければならないという大きな手間があり、行政機関も審査や手続きに時間を要していました。
しかし、口座が登録済みであれば、行政機関の手続きが自動化されるため、申請から入金までの期間が大幅に短縮されます。

これまで物価高騰対策などの給付金、児童手当、年金、所得税の還付金など、160種類以上の給付金に公金受取口座が活用されています。また、災害時における被災者支援のための給付金を受け取ることも想定されており、登録しておくとこうした給付金をより早く受け取ることが可能です。

■口座を解除したい場合は?
制度について理解したうえで、それでも口座が登録されているのはどうしても不安だという人や、あまりメリットを感じられないと思う人は、公金受取口座の登録を削除することもできます。

取り消したい場合は、「マイナポータル」からいつでも手続きが可能です。スマホやパソコンでマイナポータルにログインし、「口座情報の抹消」から口座情報を削除しましょう。

文:鈴木 朋子(ITライター)
ITライター・スマホ安全アドバイザー。スマホ、SNS、Webサービスなど、身近なITに関する記事を執筆している。初心者がつまずきやすいポイントをやさしく解説することに定評がある。中高生のスマホ事情にも詳しく、二人の娘を持つ母親でもある。
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