今回は、中学受験のプロ家庭教師「名門指導会」代表で、現役の家庭教師として『本当にかしこい子になる!勉強メンタルの育て方』(ウェッジ)など多くの著作を持つ西村則康先生にお話を聞きました。
各塾のテキストに精通する西村先生とともに、親子で疲弊しないための戦略を深掘りします。
■親子を追い詰める“オーバースペック”問題
中学受験において、背伸びをし過ぎることは必ずしもプラスには働きません。
実際、ある受験生は偏差値59の付属校を第一志望にしていました。ところが通っていた塾は「とにかく難しい問題を解かせる」方針。テキストには常に、志望校のレベルをはるかに超える難問が並んでいたといいます。
「基礎力を問う中学を受けるのに、どうしてこんな難しい問題を解かなければいけないのか」と、お母さまは頭を抱えていたそうです。
こうした「オーバースペック」がなぜ問題なのか。西村先生はこう言います。
「基礎ができていないと難しい問題は解けません。それなのに、基礎の補完をせずに授業や宿題で難問ばかりを解くことになると、それで時間を取られてしまい、本来やるべき基礎固めができなくなってしまいます」
実際、難易度の高いテキストを使う塾から、より基礎を中心としたテキストの塾に転塾した結果、偏差値が10上がったという例もしばしばあります。
これは中学受験に限った話ではありません。
自分に合った難易度やスタイルのテキストで学習することがいかに大切か、よく分かります。
■大手塾のテキストに見る、教育方針の差
塾選びのもう1つの盲点が、学習のスケジュールと記述対策のタイミングです。テキストによって、その“歩幅”は大きく異なります。
SAPIXや「予習シリーズ」は進度が速く、小学5年生で全てのカリキュラムを終えます。一方、日能研や「新演習」は比較的ゆっくりで、全範囲を終えるのは小学6年生の夏前となります。
早く終える塾は、6年生の夏から実践的な演習に入りますが、進度がゆるやかな塾は、夏前までじっくり基礎を網羅していきます。どちらがよいかは、子どもの理解スピード次第です。
また、国語の「記述対策」や「教材の工夫」にも大きな差があります。
「SAPIX、日能研、『予習シリーズ』の国語は、小学4年生から記述練習を意識した構成です。特にSAPIXは、ページ数を自由に変えられる週ごとの小冊子形式を生かし、最新の入試で頻出するような『超長文』を掲載。4年生から記述特化の『Bテキスト』を使うなど、難関校対策への即応性は群を抜いています」
対して「新演習」や「予習シリーズ」など、1冊のテキストとしてまとまっている場合、そこまでの長文を扱うのは難しい傾向にあります。
その一方で、「新演習」の国語は4年生から記述を本格化させないなど、子どもの負担に配慮した設計となっており、解説が丁寧なところも長所です。
また日能研の理科・社会のテキストには、ある大きな特徴があるとのこと。
「他塾のテキストは覚えるべき重要語句が太字になっていますが、日能研にはそれがありません。何が大切かを生徒自身が判断することを求めているのです。思考力や判断力を育もうとする、非常に理想の高いテキストと言えます」
■通塾日数と家庭学習の負担はテキストで決まる
塾選びの際、難易度と同じくらい重要なのが、家庭学習のボリュームです。これは塾のスタイルによって大きく異なります。
「最も進度が速く難易度が高いのがグノーブルです。通塾日数が少ないことが魅力だととらえる保護者もいますが、通塾日数が少ないため、家庭学習の量が多くなります。小学生が1人でこなすのは難しく、保護者が横について勉強を見守る必要があるでしょう」
一方で、四谷大塚の「予習シリーズ」を使用する塾は、通塾日数が多い傾向にあります。小学4年から授業が週2日、週テストが1日という塾も珍しくありません。週テストはその週の振り返りをするテストで、テスト終了後、自習でテストの復習をしながら学習を進めていきます。
通塾日数が多いということは、塾でテストや復習まで完結させる仕組みがあるということ。
■大手塾のテキストから見る、合格への最短ルート
中学受験で最も避けたいのは、基礎が抜けているのに難問に挑み、時間を浪費することです。
「大手塾のオリジナルテキストには、それぞれの強いこだわりが反映されています。しかし、その特徴ゆえに、使いこなせる子、物足りない子、そして消化不良を起こす子がどうしても出てきます。今の教材に親子で疲れ果てているのなら、それは教材が『合っていない』サインかもしれません」
中学受験対策は、小学3年の2月からスタートするのが一般的です。その時点で読解力や計算力がどの程度仕上がっているかを見極め、「わが子にとって消化可能なレベル」のテキストを使っている塾を選ぶこと。
それこそが、第一志望合格への「最短ルート」になるのかもしれません。
西村 則康さん プロフィール
名門指導会代表、中学受験情報局主任相談員、塾ソムリエ。30年以上、難関中学・高校受験指導を一筋に行う家庭教師のプロフェッショナル。ひとつの解法を押しつけるのでなく、その子に合った方法を瞬時に提示する授業で、毎年多数の生徒を最難関中学の合格に導く。著書に『本当にかしこい子になる!勉強メンタルの育て方』(ウェッジ)など。
この記事の執筆者: 杉浦 由美子
キャリア20年の記者。
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