「お金の管理は難しい……」という思い込みが、実はあなたの貯金を邪魔している最大の原因かもしれません。

明治大学教授・堀田秀吾氏の著書『科学的に正しい[お金が貯まる]習慣』は、科学が証明した「お金が勝手に増える」少しの工夫を厳選して紹介する話題の本。


今回は本書から一部抜粋し、誰でも今日から貯金体質に変われる、「自分を信じる力(自己効力感)」の意外な育て方についてご紹介します。

■貯蓄を左右する「やり遂げる力」
「自己効力感」というのは、自分自身がある課題を達成できると信じる力のことです。簡単に言うと、「自分ならできる!」という気持ちですね。実は、この自己効力感が高い人ほど、貯蓄もうまくいくようです。

自己肯定感と似ているこの概念ですが、自己肯定感は「自分は価値のある存在だ」と感じる心の状態を指します。

一方、自己効力感は「特定のことをやり遂げる能力がある」と信じる気持ちです。特にお金の管理では、後者が重要な役割を果たします。

■研究で判明した「自信」の効果
ユタ州立大学のロウンの研究では、金融に関する自己効力感(お金の管理に対する自信)を測るための6つの質問からなる調査方法がつくられ、726人の大学職員を対象に調査が行われました。

その結果、自己効力感が高い人ほど計画的に貯蓄できる傾向が強いことがわかりました。

自己効力感のスコアは、1つの質問ごとに1~4点で、6つの質問の合計で最大24点となり、平均は17点でした。

つまり、多くの人が「自分はお金の管理や金融上の問題に対処できる」と感じている傾向があると言えます。

■小さな成功で貯金体質へ
自己効力感が高いと、予期しない出費があっても慌てず対応でき、「手持ちがなくてどうにもならない」という状況を回避しやすいのです。
反対に、自己効力感が低い人は、「お金の管理は難しい」と感じがちで、貯蓄へのハードルを高く感じてしまう傾向があります。

このように、「自分はお金をうまくやりくりできる」と感じるかどうかが行動に大きな影響を及ぼします。さらに、自己効力感は単なる「気持ち」の問題ではなく、具体的な行動や成果につながります。

たとえば、「貯金プランを立ててみる」「少額から貯蓄を始めてみる」といった小さな成功体験の積み重ねが自己効力感を育み、よりよい金融習慣へと導いてくれます。

■ひとことアドバイス
必要なのは「能力」ではなく「認めてあげる気持ち」。まずは小さな成功を積み重ねていきましょう。

文:堀田 秀吾(明治大学法学部教授)
法と言語科学研究所代表。専門は社会言語学、理論言語学、心理言語学、神経言語学、法言語学、コミュニケーション論。研究においては、特に法というコンテキストにおけるコミュニケーションに関して、言語学、心理学、法学、脳科学などさまざまな学術分野の知見を融合したアプローチで分析を展開している。執筆活動においては、専門書に加えて、研究活動において得られた知見を活かして、一般書・ビジネス書・語学書を多数刊行している。アイドルのプロデュースから全国放送のワイドショーのレギュラー・コメンテーターなど、研究以外においても多岐にわたる活動を見せている。
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