今回は、夫が再雇用で厚生年金に加入して働いている場合、妻の国民年金額が増えるのかについて解説します。
■Q:夫が厚生年金を払い続けると、妻の国民年金は増えますか?
「私は会社員で62歳(昭和38年7月生まれ)です。妻は今年60歳(昭和40年8月生まれ)になります。妻の年金についてお尋ねします。ねんきん定期便で確認すると、妻の国民年金は月額4万7000円ほどでした。一時期、国民年金を払っていなかったようです。
私は再雇用で働いており、厚生年金を支払っています。私が厚生年金に加入している間、妻の国民年金は増えるのでしょうか。それとも、60歳時点のねんきん定期便に記載された年金額を65歳から受け取ることになるのでしょうか?」(yoshiさん)
■A:夫が厚生年金に加入していても、妻が60歳以降に第3号被保険者として年金額を増やすことはできません
yoshiさんは会社員で、奥さまは扶養されており、これまで公的年金に関しては第3号被保険者だったということでよろしいでしょうか。
第3号被保険者は国民年金の加入者で、加入できるのは原則として20歳以上60歳未満です。奥さまは今年60歳になるとのことですので、これ以上、受け取れる年金額が増えることはありません。
したがって、夫が再雇用で厚生年金を支払っている間に、妻の国民年金が自動的に増えるわけではなく、原則として、ねんきん定期便に記載されている見込み額を65歳から受け取ることになります。
もう少し年金額を増やしたいのであれば、方法は主に2つあります。
1つ目は、奥さま自身が国民年金に任意加入する方法です。60歳時点で老齢基礎年金が満額に達していない場合、60歳以降も国民年金に任意加入することで、将来の受給額を増やせる可能性があります。
2つ目は、奥さま自身が厚生年金に加入して働く方法です。例えば、従業員51人以上の勤務先で、週20時間以上働くなどの要件を満たすと、パート勤務でも社会保険の適用対象となり、厚生年金に加入できる場合があります。
奥さま自身が厚生年金に加入すれば、将来、老齢基礎年金に加えて、厚生年金加入期間に応じた老齢厚生年金も受け取れるようになります。
つまり、夫が厚生年金を支払っているだけでは、妻の国民年金は増えません。妻の年金額を増やすには、妻自身が任意加入する、または厚生年金に加入して働くことを検討するとよいでしょう。
文:酒井 富士子(経済ジャーナリスト)
「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルートに転職し、定年あるじゃん、あるじゃん投資BOOK等の立ち上げ・編集に関わる。2006年にお金専門の制作プロダクション「回遊舎」を創業。「ポイ活」の専門家としても情報発信を行う。
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