まずは、肝付さんが車掌役を務めた『銀河鉄道999』の生みの親である松本零士が「肝付さんが車掌さんの声をやってくれたおかげで、北九州小倉に車掌さんの像が立つんです。みんな、あの姿を見ると肝付さんの声を心の中で思い出す。『999』は終わりのない旅だから、まだこれからも走らせる予定。本当に寂しいですが、肝付さんの声を頭で聞きながら、車掌さんを動かしていきたい」と挨拶した。
そして、肝付さんがドラキュラ役を演じた『怪物くん』、ケムマキ役を務めた『忍者ハットリくん』の作者・藤子不二雄Aが献杯の挨拶。「痩せていましたけれど、いつも元気でニコニコしている方だったので、亡くなったと聞いて本当に驚いた。悲しいというよりも、寂しいです」と語った。献杯後には、肝付さんが演じた『ドカベン』殿間一人や『おそ松くん』イヤミなどのVTRが流れ、会場からは「懐かしい」という声が聞こえた。
その後、特に親交が深かった参加者が登壇し、肝付さんへの想いや思い出が語られた。様々な作品で共演した野沢雅子氏は「肝ちゃんとの共演はホントに多かった。そんな話になった時に『自分はいつも子分の役だ』って言ってたんです。
最後に、肝付さんを師と仰ぎ、偲ぶ会の発起人の一人である山口勝平が「みなさんの挨拶を聞いていたのですが、僕の師匠は本当にみんなに愛されていたんだなと感じました」と涙ながらに挨拶。また「けんかもいっぱいしたし、言い合いもいっぱいしたが、役者になろうと上京したときに手取り足取り教えていただいた。肝さんがいなかったら今の自分はいない」と名付け親でもある師へ、改めて感謝の意を述べた。「僕はまだ肝付さんに何も返せていない。だから、肝付兼太の弟子として、この業界で頑張っていくことが恩返しであると思っています」と決意表明した。
参加者がみな口にしたのは、いつも明るくニコニコ笑い、周囲への気配りを忘れない。