
本朗読劇『世界が記憶であふれる前に』は、テレビ朝日が朗読劇の金字塔『私の頭の中の消しゴム』のクリエイターとタッグを組んで送るオリジナル作品。
ステージ上には男性と女性の2人がいるだけで、大がかりな装置や身体を駆使した演出はほとんどない。出演者の声の演技、そして観客の想像力によって完成するライブエンターテインメントだ。
今回の上演では、声優の梶裕貴、甲斐田裕子の2人だけがステージ上に座り、変幻自在に台詞を朗読した。梶と甲斐田の声の演技で、観るものの脳裏には登場人物の記憶が次々と浮かび上がり、まさに目の前で一部始終の出来事が繰り広げられているようなリアルな朗読劇となった。
また、立体的な映像演出やライティングにより、まるで観客はその世界に入っているかのような没入感を味わった。そこに数十人の登場人物の声の出演や、様々なシーンに用いられる効果音が会場に鳴り響くことで、その効果は何倍にも増していく。
そして、梶が演じる「ソライ」と甲斐田が演じる「ナノ」の2人の記憶をたどる物語が進むにつれて、会場全体が感動で大きく揺さぶられる展開となった。
なお、この舞台は現在「PIA LIVE STREAM」の配信でも観劇が可能だ。配信チケットは3,000円で、11月30日まで何度でも視聴できるので、当日会場に足を運べなかった人は、この機会にぜひ配信で視聴しよう。