TVアニメ『サザエさん』の1969年の放送開始時からフグ田タラオ役を演じ続けてきた声優の貴家堂子さんが、2023年2月5日に逝去したことがわかった。フグ田サザエ役の加藤みどりら共演者、および『サザエさん』の番組スタッフからコメントが到着した。


貴家さんは1936年2月4日、東京都生まれ。放送開始時から演じ続けた『サザエさん』フグ田タラオ役をはじめ、『天才バカボン』ハジメちゃん役、『ハクション大魔王』アクビ役、『リボンの騎士』チンク役、『ダンガンロンパ』シリーズのモノミ役などで知られる。2011年には、「第7回東京アニメアワード」において功労賞に輝いた。また2019年には、「最も長くテレビアニメシリーズにおいて同じ役を演じ続ける声優」としてギネス世界記録にも認定されていた。

訃報は2月10日に発表されたもので、『サザエさん』からは加藤みどり(フグ田サザエ役)をはじめ田中秀幸(フグ田マスオ役)、冨永みーな(磯野カツオ役)、津村まこと(磯野ワカメ役)、寺内よりえ(磯野フネ役)、茶風林(磯野波平役)ら共演者、そしてスタッフ一同がお悔やみのコメントを寄せた。

所属事務所の俳協によると、通夜葬儀は遺族の意向により近親者のみで済ませており、お別れ会は予定していない。
またフジテレビによると、TVアニメ『サザエさん』における貴家さんの最後の出演は、2月26日放送の「サザエさん ひな祭り1時間SP」となる。なお、フグ田タラオ役の後任は現在検討中としている。

<以下、コメント全文掲載>

【加藤みどり(フグ田サザエ役)】

『サザエさん』の初回放送から 50 年以上、ずっと一緒に家族として歩んできた貴家ちゃん。
“貴家ちゃんがいるうちは私も頑張らなきゃ”と思っていたので貴家ちゃんがいなくなって本当に寂しく、悲しい気持ちです。 心よりご冥福をお祈りいたします。

【田中秀幸(フグ田マスオ役)】

大切な宝物を失った悲しみで一杯です。
貴家さん。穏やかな語り口、優しいお言葉、素敵な笑顔・・・しっかりと胸に刻んでおきます。長い間、 本当にお疲れ様でした。どうぞ安らかにお眠りください。 ありがとう、タラちゃん。

【冨永みーな(磯野カツオ役)】

スタジオでいつもいつも優しくしていただきました。 そしてとてもキュートでいらっしゃった貴家さん。 突然の訃報にとても驚いています。寂しいです。。。心よりご冥福をお祈り致します。


【津村まこと(磯野ワカメ役)】

貴家さんはお茶目でタラちゃんそのままのような本当に可愛らしい優しい方でした。全く実感はないのに脱力感がすごいです。あのタラちゃんの可愛らしい声が聞けなくなるなんて寂しいです、残念です。今まで本当にありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします。

【寺内よりえ(磯野フネ役)】

貴家さんには折あるごとにあたたかく見守りお声がけ頂き感謝しております。 一つの役を長く演じてこられた大先輩のお言葉・お姿を胸に刻み、励んで参ります。 貴家さん、そして愛らしいタラちゃん、おつかれ様でした。 心よりご冥福をお祈りいたします。

【茶風林(磯野波平役)】

突然の訃報に言葉がありません。 いつもオシャレでニコニコと優しい笑顔を振り撒いて下さいました。 ずっとずっとご一緒出来ると思っていたのに残念でなりません。
心からご冥福をお祈りいたします。

【『サザエさん』スタッフ一同】

放送開始から 53年もの間、貴家さんが演じ続けてこられたタラちゃんは、いつでも3歳の子供が初めての世界に触れた時のような新鮮な喜びに溢れていて、タラちゃんの目線で見るサザエさん一家には、いつも優しくみんなが見守ってくれている安心感がありました。 タラちゃんと一緒に笑ったり泣いたりしながら大人になっていく私たちのとなりで、次の世代の子供たちとずっと“はじめの一歩”を歩み続けてくださった貴家さん。 貴家さんが見せてくれたタラちゃんの目線を私たちが大事に受け継いで、これからも大切に描き続けていきたいと思います。長い間、本当にありがとうございました。

『サザエさん』
≪放送日時≫
毎週(日) 18時30分~19時
≪出演者≫
サザエ・・・加藤みどり
カツオ・・・冨永み~な
ワカメ・・・津村まこと
タラ・・・貴家堂子
フネ・・・寺内よりえ
マスオ・・・田中秀幸
波平・・・茶風林

≪スタッフ≫
原作:長谷川町子
プロデューサー:
渡辺恒也(フジテレビ編成部)
田中洋一(エイケン)
制作:フジテレビ エイケン

(C)長谷川町子美術館
編集部おすすめ