7月2日に放送されたSeason2最終回の第24話「目一杯の祝福を君に」で大団円を迎えた『機動戦士ガンダム 水星の魔女』は、TVシリーズでは初の女性を主人公にした『ガンダム』シリーズとして2022年10月2日に放送開始。
水星から来た少女スレッタ・マーキュリーを中心に個性あふれるキャラクターたちによる学園ドラマが描かれ、その切り口は既存ファンはもちろん、『ガンダム』に初めて触れる視聴者にも歓迎された。
今回開催された「『機動戦士ガンダム 水星の魔女』フェス ~アスティカシア全校集会~」(以下、水星の魔女フェス)は、スレッタの通うアスティカシア高等専門学園の”全校集会”として催され、同学園に通う学生たちを演じた声優陣が集合。スレッタ役・市ノ瀬加那を始め、ミオリネ・レンブラン役・Lynn、グエル・ジェターク役・阿座上洋平、シャディク・ゼネリ役・古川慎、ニカ・ナナウラ役・宮本侑芽、チュアチュリー・パンランチ(チュチュ)役・富田美憂、ラウダ・ニール役・大塚剛央、ソフィ・プロネ役・井澤詩織、ノレア・デュノク役・悠木碧と9名が顔をそろえた。
当日は声優陣による朗読劇や生アフレコに加え、音楽担当・大間々昂によるオーケストラの生演奏、OP・EDテーマを手がけたアーティストたちによるスペシャルライブが行われることもあり、イベント開催発表直後からファンの期待は高まっていた。
水星の魔女フェス開幕!
会場には小学生から大人まで幅広い層が集まり、お気に入りのキャラクターのコスプレで観覧するファンの姿も多く見られた。自分の席に着き開演を待つファンにはエラン・ケレス(CV.花江夏樹)によるイベント注意事項の説明映像が用意され、さらにラウダによる「掛け声」の練習時間が設けられた。
そしてスレッタの声で朗読劇が始まり、いよいよ舞台の幕開けだ。「え~、麗らかな陽光の射す午後のひととき、ミオリネさんにおかれましてはいかがお過ごしでしょうか」どうやら朗読劇はスレッタがミオリネを全校集会に誘うところから始まったようだ。しかし、ミオリネは行く気がないらしい。ベネリットグループ各社が協賛しているイベントなんてくだらないステージを見せられるだけと思っている。
同じ頃、グエルとラウダは兄弟水入らずのキャンプを楽しんでいた。グエルはスレッタと全校集会で約束があることを漏らす。そんな二人をよそに、会場スクリーンにはミオリネの父で学園理事長のデリング・レンブラン(CV.内田直哉)が登場。威厳を見せつけ、開会宣言を行った。そして会場からは拍手が湧いたと同時に、大間々の率いるスペシャルコラボオーケストラの奏でる音色が会場を包み込んだ。壮大な楽曲「Asticassia」で華やかなオープニングが飾られた。
再び朗読劇に戻ると、シャディク&ニカ&チュチュ、ソフィ&ノレアとそれぞれが全校集会を気に掛けていた。スレッタは全校集会で「株式会社ガンダム社歌」をみんなで歌うべく、どうしてもミオリネを連れて行きたかった。その勢いに折れたミオリネだったが、そこに割って入ったのはラウダだった。
スレッタとミオリネに「これ以上お前たちに兄さんの品位を落とさせてたまるか」と声を荒げ、それを見かねたグエルは「お前たち決闘しろ!」と二人に命じた。揉め事は決闘でカタをつける、彼らの学園ならもっともな提案である。
ただし、全校集会という平和的な場になるため、決闘はモビルスーツを使わないものになった。
ラウダは「僕が勝ったらスレッタ・マーキュリーの持つ(全校集会の)プログラムの時間は僕が使わせてもらう」と望み、スレッタは「私が勝ったら、ラウダさんはしのごの言わずに協力してください!」と望んだ。
そして始まった決闘in幕張メッセ。決闘は「立会人を唸らせろ! セリフで決闘」と題され、ここはイベントなのでスレッタとラウダ以外にもチュチュ、シャディク、ノレアも参加することに。決闘内容は、各キャラクターの声優が「自分の演じるキャラクターの『人には見せられないやりたいことリスト第1位』を叫べ!」というものだ。そして勝利した者には、スレッタの持つプログラムの時間を使って最高のひとときがプレゼントされる。
「勝敗は声優の芸歴のみで決まらず、声優の滑舌のみで決まらず、ただ結果のみが真実!」
参加する5名が声をそろえて宣誓すると、会場からは今日一番の笑い声が。フィックスリリース!
ここで5名が放つセリフは「各声優たちが思っている、キャラクターに言わせたいセリフ」だ。立会人はグエル役・阿座上が務めることに。声優たちは思い思いの気持ちをセリフに込めて叫んだ。
チュチュ役・富田「私だってなあ、ほんとはピンクのふわふわ花柄キラキラのワンピースが着たいんだもん☆」
ノレア役・悠木「ソフィのやりたいこと私も一緒にやりたいです……」
シャディク役・古川「もし機会があるなら、真っ赤なトマトになって君に齧られたい」(会場大爆笑)
ラウダ役・大塚「実は……前髪をピンクに染めてみたい!」
スレッタ役・市ノ瀬「ね、寝てる、ミオリネさんの顔に、盛大に落書きしてみたいですっ!」
それぞれがキャラクターの個性を存分に発揮したセリフによる決闘。阿座上が選んだ勝者は、シャディクだった。
サプライズゲストでプロスペラ役・能登麻美子が登壇
後半はスペシャルライブパートだ。最初に登場したのはSeason1 EDテーマ「君よ 気高くあれ」のシユイだ。力強い歌声のあとはイベントの小休止となるトークショーとSeason1 OPテーマ「祝福」を手がけたYOASOBIからのビデオメッセージ紹介を挟み、生アフレコ&オーケストラショーの開演だ。会場のスクリーンにはアニメ本編の名場面が流され、そこに被さる生アフレコの迫力に息を呑む。
スレッタの母・プロスペラ役の能登麻美子がサプライズ登場すると会場からはどよめきがおこった。『水星の魔女』を語る上で欠かすことのできないプロスペラ。これ以上ないサプライズ演出だろう。
アイナ・ジ・エンドによるSeason2 EDテーマ「Red:birthmark」、yamaの歌うSeason2 OPテーマ「slash」と続き、会場の拍手は鳴り止む暇がない。さらに最終回で流れたアイナ・ジ・エンドの「宝石の日々」とファンには堪らない内容だ。ラストシーンの映像と共に楽曲を聞くと、思わず涙が出てきそうだった。
大間々の指揮する洗足フィルハーモニック管弦楽団、室屋光一郎カルテットによる演奏、そこに加わるイタリアから来日したClara Soraceの透き通るようなコーラスが沁みる。
アーティスト勢、声優たちの挨拶では、市ノ瀬が「私たちの気持ちが皆さんに届いた実感が今していますし、ここにいる皆さんが『水星の魔女』を好きでいてくれることがすごいうれしいです」と涙ぐむ姿も。Lynnも「一生忘れられない瞬間を味わっていると感じました」と弾けるような笑顔を見せた。
いよいよ全校集会プログラムは終了……と思いきや、最後に待っていたのは株式会社ガンダム社歌の大合唱だ。再び朗読劇が始まると、まだちょっとプログラムの空き時間があることが判明。ミオリネが「じゃあその空き時間、株式会社ガンダムで使わせてもらう。うちも今から協賛するわ」と宣言すると、スレッタの音頭で株式会社ガンダム社歌の大合唱に! ガンダム・エアリアルも特別参加して「ガ~ンダム ガ~ンダム 希望の光~♪」と熱唱が始まった。なんとミオリネは「口パク」だったことがバレ、今度は会場も巻き込んだ二度目の大合唱となった。
最後にすべての水星の魔女フェス全出演者がステージに集い、1万人のファンに向けて「目一杯の祝福を、みんなに!」と言葉を贈った。出演者たちがステージに別れを告げた後、最後の朗読劇が用意されていた。全校集会も終わりうじうじしているスレッタに、ミオリネは「ホルダーとか関係なく、あんたは私のパートナーなんだから、胸張りなさい」と投げかける。2人が最後の挨拶をすると会場からは盛大な拍手が送られ、水星の魔女フェスは幕を閉じた。
物販・展示・飲食・コスプレエリア も充実
水星の魔女フェスでは、イベント限定の物販や各種設定資料などの展示エリアも設けられた。各キャラクターが等身大になって壁一面に並んだ様子は圧巻だった。また、グエルやセセリア・ドート(CV.山根綺)の展示はクスッと笑ってしまうものでファンたちは楽しげに写真におさめていた。
飲食エリアでは岩手県宮古市の「パティスリー・レ・ド・シェーブル」がヤギミルクを使用したクリームパンなどを展開。ヤギミルクと言えば第14話でリリッケ・カドカ・リパティ(CV.稲垣好)が「栄養満点ヤギミルクはいかがですか?」と振る舞っているシーンが描かれていたが、レ・ド・シェーブルの特別出店により実際に味わえることに。ファンたちの長蛇の列をチュチュが見守っているのが印象的だった。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』フェス ~アスティカシア全校集会~
【日程】8月6日(日) <昼の部>開演/13:30 終演/16:00
【会場】幕張メッセ 国際展示場 9-10ホール 千葉県千葉市美浜区中瀬2-1
【出演者】
<CAST>
市ノ瀬加那(スレッタ・マーキュリー役)、Lynn(ミオリネ・レンブラン役)、阿座上洋平(グエル・ジェターク役)
古川 慎(シャディク・ゼネリ役)、宮本侑芽(ニカ・ナナウラ役)、富田美憂(チュアチュリー・パンランチ役)
大塚剛央(ラウダ・ニール役)、井澤詩織(ソフィ・プロネ役)、 悠木 碧(ノレア・デュノク役)
<ARTIST>
大間々 昂(音楽)、Clara Sorace、室屋光一郎カルテット、
洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団(音楽協力:洗足学園音楽大学)
シユイ(Season1 EDテーマ)、yama(Season2 OPテーマ)、アイナ・ジ・エンド(Season2 EDテーマ)
(C)創通・サンライズ・MBS