コンパクトカメラの販売ランキングを見ると、台数ランキングでは比較的安価な製品が上位に並び、金額ランキングでは、個性的なモデルが上位にランクインしている。この6月では、台数ランキング1位はKODAKの「PIXPRO FZ55」。2022年8月の発売以来、台数でTOP6以内に常駐している人気モデルだ。今年に入っても好調で、2月以降連続してトップシェアを維持している。
一方、販売金額ランキングでこの6月、トップに立ったのは、パナソニックの「LUMIX TZ99」。11.2%のシェアで1位を獲得した。平均単価は5万9600円と、こちらは全体平均よりもだいぶお高い。今年2月発売の新しいモデルだ。発売直後の2月に販売金額で1位を記録して以来、4か月ぶりにトップを奪還した。2110万画素の撮像素子を備え、24~720mmの光学30倍ズームが特徴。
販売金額シェアでは、10.7%で2位の富士フイルム「X100VI」も目立っている。平均単価が25万4000円。コンパクトカメラの中ではとびぬけて高価だ。オーソドックスというより、レトロなデザインの本体が特徴。4020万画素と高画素数のAPS-C撮像素子を備えた本格派だ。レンズは35mmの短焦点で光学ズームなし。フィルムメーカーならではの豊富なフィルムシミュレーションモードを備える。
レンズ交換型カメラは敷居が高くなってしまった。フルサイズのボディーともなれば、レンズも大型化。撮影するにもかなり気合が必要だ。価格も高騰している。スマホよりちょっと上のカメラ、スマホでは実現できない撮影スタイルを楽しめるカメラ。コンパクトカメラ好調の要因は、そんなカメラのニーズが再び顕在化してきたからだろう。スマホの攻勢に白旗を上げ、コンパクトカメラから半ば撤退状態のメーカーは少なくない。
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