かつては地方テレビ局のローカル番組に出ることなど、ほとんどなかったジャニーズ事務所のタレントだが、近頃はローカル番組への進出が目立つようになっている。
昨年10月には、Kis-My-Ft2の宮田俊哉が、KBC九州朝日放送(福岡)の情報番組『アサデス。
さらに、メ~テレ(名古屋テレビ)の情報番組『デルサタ』(毎週土曜、午前6時30分)には、A.B.C-Zの橋本良亮と塚田僚一が不定期ながらレギュラー出演。4月には、同番組のスピンオフ企画としてA.B.C-Z主演ドラマ『ぼくらのショウタイム』がメ~テレで放送される。
また、ジャニーズJr.出身の4人組・ふぉ~ゆ~もCBCテレビ(名古屋)のワイドショー『ゴゴスマ~GO GO!Smile!~』(毎週月~金、午後1時55分)の火曜コメンテーターとしてレギュラー出演中。
ワイドショーや情報番組を中心に、名古屋や福岡などの地方局ローカル番組に進出しているジャニーズのタレントたち。一体どんな背景があるのだろうか? テレビ局関係者はこう話す。
「大阪のワイドショー番組などが典型ですが、地方局のワイドショーや情報番組では、コメンテーターや司会者が比較的自由に発言することも多く、過激な内容になったり、真偽不明な噂レベルの話が飛び出たりすることもある。あるいは、芸能プロダクションとの関係が強いキー局のワイドショーでは、そうしたプロダクションへの“忖度”によってスルーされるようなゴシップネタを、地方ローカルのワイドショーでは普通に扱うこともあります。昨今は何かとトラブルの多いジャニーズ事務所も、スルーしてほしいネタは山ほどあるでしょう。そこで、地方局のワイドショーのレギュラーにジャニーズのタレントがいれば、キー局と同様の“忖度”が地方局の側にも働き、そういったゴシップネタが放送内容から外される可能性が高くなる。ジャニーズ事務所としては、そんな思惑もあるのかもしれないですね」
●名古屋のボイメンへの牽制なのか
確かに地方局にしてみれば、ジャニーズ事務所のタレントがレギュラーになってくれることのメリットも大きいだろう。
「たとえKis-My-Ft2の宮田や千賀など、メインどころではないジャニーズタレントだとしても、地方局にしてみれば大スターですからね。ジャニーズ的には、キスマイやA.B.C-Zであれば、フットワーク軽く動かせるので、“ワイドショー封じ要員”としてもちょうどいい。ジャニーズと地方局の双方にとってメリットがあるといえるでしょう」(同)
東海エリアのローカル番組については、また別の思惑も見え隠れする。
「名古屋を拠点にする男性アイドルグループ『BOYS AND MEN』(ボイメン)は、東海エリアでのレギュラー番組も多いし、ジャニーズの立場を脅かしかねない存在になりつつある。ジャニーズとしては、ボイメンをこれ以上自由にさせたくないという思いもあるでしょう。そこで東海エリアの番組にジャニーズのタレントを投入することで、ボイメンへの“牽制”の姿勢を見せるともに、東海エリアのテレビ局に対してジャニーズの存在を今一度強く見せつけるという効果を狙っているのかもしれません」(同)
以前のような絶大なる影響力は発揮できなくなっているといわれながらも、地方に進出することで勢力を伸ばそうとするジャニーズ事務所。男性アイドル界の王者として、そう簡単に凋落することはなさそうだ。
(文=編集部)